行間 姫川
彼奴。生きていたんだ…。
闘技場から涼宮と十返の二人は跡形も無く消え去ってしまった。何処へ消えてしまったのかは誰も解らない。生きているのか死んでしまったのかさえも誰も解りはしない…。闘技場には静寂だけが在った。
姫川は身震いする肉体を両の手で押さえ込んでいる。そして…震える聲で問う。
「私も【境地】へと至れば、あれ程の力を得られるのでしょうか?」
四方堂は応える。
「君が【境地】へと至れればね…。僕は【境地】へと至った人間を三人程知っている。あの人達が、その気になれば世界を滅ぼす事すらも容易いんだろうけど…。あの人達は、この世界を愉しんでいるみたいでね。その気になる前に此方が手駒を揃えなきゃ駄目なんだよ。だからこそ…。巫蠱の儀で手駒を増やそうとしているんだけど…。」
四方堂はモニターを視る。
「二人共、消えてしまったね。さて…。どうしようか…。」
その時だった…。激しくドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。」
と声が轟き、慌ただしく部屋へと数人が駆け込んでくる。
「あの方から連絡がありました。北街区で動きがあり、特殊疫病対策局【Creator】の局長に天野桐人が選ばれたとの事です。」
四方堂の纏う空気が変化した。
「彼奴、生きていたんだ…。」
四方堂はソファーから立ち上がり…。
「僕は急用が出来たから行かなくちゃならない。姫川。巫蠱の儀は君に一任する。何なら欠けた蟲の代わりに君が巫蠱の儀に参加しても良い…。好きにして良いよ。」
そう云って…。
四方堂は部屋を出ていった。
涼宮 凛音。
二十九歳。女性。
【慈愛】の咎を発症。
咎名【華蓮】
境地【歪】
五種類の能力を保有する。
状態異常回復。
完全回復。
五種類の魔法の発動。
華蓮を顕現する。
神仏の力を得る。
身体能力の向上(特大)。
攻撃力 S
防御力 S
精神力《攻》SSS
精神力《防》SSS
俊敏性 S
器用値 SS
生命力 S
運命値 SS
能力分析。不明瞭。この値は推定とする。




