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虚無的機械と空舞う風船 ④


 敗北したのは…。


 「御前…。何をした?」

 右手を押さえながら如月は問う。ソレに対し片山は酷く落ち着いた聲で返した。


 「先程、云ったじゃないですか…。中身が大事だって…。」


 片山は左右に首を振った。首の筋肉がミシミシと音を立てる。


 「【所在無き風船】は、その物質を構成する成分を任意的に増幅、変化、消失させたりする事が出来る…。例えば人体には体重の1%のリンが存在する。そのリンの85%は骨を形成するリン酸マグネシウム、リン酸カルシウ厶なのですよ…。ソレを白リンに変化させ増幅させる。すると…。」


 片山は如月の左手を指差した。


 バシュッと音が産まれ…。

 如月の左手は爆ぜた。


 「こうなる…。」

 片山の瞳には感情が無い。


 「そして…。僕の体内のアルコール、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とベンゾジアゼピン系の抗不安薬は別のモノに変化させました。適量のアドレナリン、エンドルフィンに変えて脳内で分泌させたんですよ。どうなるのか…。貴方になら解るでしょう?」


 如月は恐怖に震える。


 「【咎】の能力で身体能力が向上してるのを更に増幅ブーストさせた事になりますよね?」


 片山は瞬間的に間を詰めると、如月の顎へ右アッパーを放った。人を叩いた音とは思えない音が闘技場に響き渡る。


 「貴方が敗北したのは…。己の能力を過信した事。そして…自己への泥酔・・、自己陶酔ですね。」


 片山は空に舞う如月を指差した。


 「【所在無き風船】」


 酷く落ち着いた聲が風に乗る。如月の肉体の内で白リンが異常な迄に増殖していく。


 如月の肉体は膨張し…。

 弾けて消えた。 



 片山かたやまリョウ。

 二十二歳。男性。

 【知識】の咎を発症。

 咎名【所在無き風船】

 ステージⅢ

 能力。身体能力の向上(大)


 物質を構成する成分の解析、増減が可能。 (ステージ0)


 物質を構成する成分の解析、増減、変化が可能。(ステージⅠ)


 物質を構成する成分の解析、増減、変化、消失が可能。(ステージⅡ)


 物質を構成する成分の解析、増減、変化、消失が可能。【所在無き風船】を現実世界に干渉させる事に成功。具現化が可能。意思疎通が可能。(ステージⅢ)


 


 攻撃力 A

 防御力 A

 精神力《攻》A

 精神力《防》A

 俊敏性 A

 器用値 S

 生命力 A

 運命値 SS

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