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えっ?デモンストレーション?


 『へぇ。』


 祭典の幕は開ける。


 月執は会場へと足を運んだ。眼前に広がるのは【フラウィウス円型闘技】所謂いわゆるコロッセオである。石畳で構成された闘技場は完全な円形ではない様で楕円形なのだと聞かされた。円形の長軸は187m、 短軸は115mらしい。想像していたよりも大きい闘技場だ。


 本来のコロッセオは多くの剣闘士達が猛獣と戦い、市民を喜ばせる娯楽施設だった。そして…その娯楽と呼ばれたモノの中には…。【殺し合い】【処刑】等もあったとも聞く。ならば、此処・・は【罪人の処刑】を兼ねた【殺し合い】の場なのだろう。


 闘技場を囲む様に数え切れない程の観衆がいる。その眼は、コレから繰り広げられる惨劇への期待に満ちていた。


 「本戦の前のデモンストレーションを行います。」


 『えっ?デモンストレーション?』


 「月執つきとり明日花あすかさん。闘技場中央へ…。」


 『聞いてないんですけど?』


 渋々、月執は闘技場の中央へと向かう。中央に差し掛かるかと思われた時…。突如として空はかげり夜空となった。月執はユックリと視線を上へと向ける。


 『へぇ。』


 上空には巨大な翼を持つ、スピノサウルスを原型とした恐竜タイプの欲獣がいた。翼と表現はしたものの、その中心にはホバークラフトの様な機械仕掛けのプロペラがった。わにの様な細長い吻部ふんぶ縦皺たてじまが刻まれた円錐形の牙、頭頂部の小型の鶏冠けいかん、何よりも眼を引いたのは椎骨ついこつ棘突起きょくとっきが変異し、高速で回転するチップソーとなっている事だった。


 『良いなぁ。殺傷能力高そう…。見た目も格好良い…。』


 月執が、そんな事を考えていると…。欲獣は仰向けになり、上空から急降下してくる…。歓声が広がった。その異様な熱気に月執が視線を送ると歓喜する観衆が映り込んでくる。


『えっ?何?何?そんなに視たいの?』


 【血を…?。臓物を…?。】

 月執の聲が暗く沈んだ。


 「悲しいけれど…。ソレも真実か…。」


 【サッド・バット・トゥルー】

 と月執は囁く…。


 此れが後に語り継がれる…。

 【】と呼ばれる都市伝説の始まりとなった。


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