死は傍らに…。
私も参加します。
「あっ…。どうもぉ…。」
月執明日花は、三日後に開かれる祭典の会場へと来ていた。そして…。関係者らしき女性を見つけると月執は声を掛けるのだった。
「一つ聞いて良いですか?」
「どうぞ。」
月執は胸元にある名札を観た。その名札には【笹森】と表記されている。
「笹森さん。教えて欲しいんですけど。四方堂一葉さんには何処へ行けば逢えますか?」
声を掛けられた笹森の瞳が揺れる。
「どう云った御用件でしょうか?」
警戒しているらしく月執を視る瞳には疑惑の念が込められていた。月執の瞳を囚えた儘、瞬きさえする事も無く見据えている。
「怪しい者じゃないですよ。約束したんです。誰か一人を殺せば参加出来るって聞いたんで…。死んだんでしょ?あの…。えっと…。誰だったっけ…。」
考えようと少し上目で天井を見上げると月執の口腔からは欠伸が零れた。眠そうな瞳で笹森を視る…。
「あっ。そうそう。確か…。轟京也だったかな…。」
その言葉を聞いた笹森の瞳孔が大きくなった。それから少しずつ月執の細部を観察していく。
「貴方が殺ったと云う証拠は有りますか?我々が調査し解っている事は…。轟京也の肉体は突如としてバラバラになった。と云う事だけです。ソレは貴方の【咎】の能力なのですか?」
月執の表情は変わらない。未だに眠そうな瞳で笹森を視ている。
「私の咎は【サッド・バット・トゥルー】知識の咎。相手の精神に干渉し嘘を扱うだけの能力…。でも、こんな世界になってから、生き抜く為に手に入れた知恵があるんです…。トラップですよ。トラップ。不可視のワイヤーソーを使ったんです。」
笹森は…。
ハァーッと深く溜め息を吐く。
「嘘を扱う貴方が、どうして直ぐバレる嘘を吐くんですか?そもそも何処から何処迄が嘘なんですか?巫山戯るのも大概にして下さい。今の御時世、ワイヤーソーを手に入れられる人間は限られています。しかも能力者である轟がソレに気付かないなんて事は有りませし、通用するとは思えません。」
笹森は拳を強く握る。月執はそんな様子にお構い無しに言葉を並べた。
「そうですよねぇ。確かにワイヤーソーだと手間暇かかるし、能力者には何の効力も無いんだろうなぁ…。嘘付く才能無いのかな…。私…。」
笹森の表情が紅く染まっていく。
「不規則にバラバラになった肉体。その断面は鋭利な刃物に依る切創ではなく、裂創、挫創。【咎】を発動する間もなく瞬殺されたって感じでしょ?何されたのかさえ理解してなかったんじゃないかなぁ。でも…。私は轟が、どんな状態で死んだのかを知ってる。だって…。」
月執の瞳の奥が漆黒となる。
「私が殺ったんだから…。ソレが私の真実。貴方達の真実なんて知らない…。」
辺りの空気が一変していく。
「黙れ。五月蝿い。殺してやる。」
笹森は強い言葉を、ただ並べている。すると月執は笹森の瞳を覗き込み、嘘付き。と嗤いながら云った。笹森の肉体は恐怖に囚われ、ガクガクと膝を震わせている。
「虐めないでくれませんか?」
美しい聲が響いた。
陶器の人形がユックリと近付いてくる。
「おや。貴方は確か…。」
中性的な人形は笑った。
「約束しましたよね?枠空いたんでしょ?私も参加します。」
と月執は両手を上げて…。
子供の様に微笑んだ。
月執明日花
咎名【sad but true】
自称ステージⅦ。
嘘を扱う。
攻撃力 D
防御力 D
精神力《攻》D
精神力《防》D
俊敏性 D
器用値 D
生命力 D
運命値 D




