表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/84

死刑囚 如月 睦月 ③


 彼等は生きていますよ。温もりがあり、記録もある。


 だから…。そう言葉を吐き捨てると…。自分の前にいる人間・・は激昂しながら言葉を投げつけてきた。


 「犯行に及んだのですか?」


 眼の前の人間は、震えた声でそう云う。憤怒の感情と云うよりは恐怖の感情で震えているのだろうか?


 「えぇ。」


 自分は少し深呼吸をする。


 「でも…。犯行と云われるのは心外ですね…。自分としては社会貢献のつもりだったんですけど…。だってそうでしょ?医学やら科学やらは幾許かの犠牲があって進歩してきたんですよ。ソレと何が違うと?」


 眼の前の人間は言葉を紡ぐ。


 「貴方は科学者でも無ければ医師でも無いんですよ。貴方はプログラマーですよね?」


 「えぇ。プログラマーです。」


 眼の前の人間は感情を吐き出す。


 「貴方が何をやったのか…。理解はしていますか?罪の無い二十人の命を奪ったのですよ…。」


 「命を奪った?何を馬鹿な事を云うのです?彼等は生きていますよ。温もりもあり、記録もある。」


 そう。彼等は生きている。死んでなんかいないのだ。


 「貴方の家から押収された【アレ】を鑑識に回しました…。」


 「鑑識に回しただって?」


 「はい。」


 「ソレでどうなった?真逆…。分解したんじゃないだろうな…。」


 自分の内に厭な予感が膨れていく。アレは緻密に繊細に組み立てられているのだ。自分以外が分解したのなら…。


 「分解しましたよ。ソレで…。」


 その言葉を聞くと自分でも驚く程の憤怒の感情が言葉として溢れ出た。

 

 「この人殺しが…。」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ