表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/80

死刑囚 白鷺 真 ③


 殺意なんて無かった…。


 それ以来、私は炎に魅了された。


 炎は。気体の燃焼時に見られる穂の様な光と熱を発している部分を指す。構造としては、燃焼する可燃性の気体にあらかじめ酸素が混ぜられているか混ぜられていないのかで異なる。


 例えば蝋燭の炎ならば拡散燃焼と云われている。熱で発生した可燃性の気体と周囲の空気中の酸素が拡散により混合して燃焼している。この拡散燃焼の場合では、炎の内側になる程に酸素濃度が低くなる。濃度に応じて炎は大きく分けて3つの部分に分けられる。炎の外側から外炎がいえん内炎ないえん炎心えんしんと呼ばれ、外炎は一番の外側となり、炎の中で最も高温となる。ソレは酸素との接触が充分になるからだ。


 そして…。炎は色彩豊かである。温度と燃焼する物質によって色は変化する。炎の温度では赤(暗赤色)は約500〜800℃。橙〜黄色は約1,000〜1,200℃。白〜青は約1,300〜1,600℃。青は約1,600℃以上。


 炎色反応では…。赤はリチウム。黄色はナトリウム。紫はカリウム。緑は銅。橙色はカルシウム。虹色はストロンチウム。


 炎を見つめていると私は幸せな気持ちに包まれる。炎の綺麗な色に包まれれば、肉体は綺麗な色に変色する。そして…ブスブスと肉体は燃焼し肉体からは煙として魂は天国へと向かう。


 自殺する人間は地獄へと向かうと聞いた…。だから私は自殺志願者を募り、天国へと向かわせる為に火を点けた。殺意なんて無かった。ただ彼等の天国での幸せを願っただけ…。


 ソレだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ