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巫蠱の儀⑧


 とりあえず一番上の此奴で良いや…。

 選ぶのも億劫だし…。


 月執の眼前に八枚の資料が差し出された。紙には顔写真と異能力の系統が書き込まれてはいるが、どの様な異能力なのかは書き込まれてはいない。


 月執は一枚ずつ目を通していく。


 「なるほど。戦闘に有利な【咎】だけかと思ったら全種類揃ってるんですね。面白い…。因みに、この咎人達はどうやって選ばれたんです?」


 資料から眼を外す事無く月執は言葉を放った。月執は、その八人に何処かで視た様な既視感を感じているのだった。思い出そうとしても記憶の底でソレは…蠢いている。


 「それこそ…。巫蠱の儀です。彼等は嘗て国が機能していた時、法務省の管理下にあった刑事施設に囚われていた人達ですよ。」


 月執の瞳が微かに揺れた。


 「日本全国にあった八箇所の拘置所で我々胎天地心教は巫蠱の儀を実行したのです。それこそ…殺し合わせましたよ。結果は我々が想定していた通り…。生き残った者の殆どが死刑囚だった…。」


 なので…。と四方堂は一度、言葉を置き…咎の系統が何であれ、巫蠱の儀で生き残った彼等は重罪の咎人であるとだけ云っておきましょう。期待してますよ。と四方堂は月執の肩を叩き、その場を後にしたのだった。


 月執は今一度、資料に目を通す。


 「だからか…。見覚えがあったのは…。さて、どうしようかねぇ…。とりあえず一番上の此奴こいつで良いや…。選ぶのも億劫おっくうだし…。」


 そう呟くと一番上の紙を…。月執は破った。バラバラになった紙は風に飛ばされて、其々が彼方此方あちこちに分散していく。桜吹雪みたいだな…。と月執は楽しそうに笑ったのだった。

 


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