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巫蠱の儀⑦


 八人の咎人で殺し合う。

 そして…。

 最後まで生き残った者が…。

 蠱と呼ばれる依り代となる。


 ソレだけですよ。


 中性的な人物は…。まぁ。冗談です。と綺麗に微笑んだ儘に云った。作り物の笑顔だった。微笑む陶器の人形は感情も何も持ち得てはいない。


 そんな中性的な人物の瞳を月執は覗き込むと…。冗談・・じゃないんでしょ?だって、貴方…。嘘付・・いてない。と返した。


 中性的な人物は、その言葉を聞き、再び微笑む。


 「もしかして…貴方も咎人なのですか?相手の心を読む…。違いますね…。相手の嘘を見抜く異能力と云った処でしょうか?すると…。貴方は【知識】の異能力者?」


 中性的人物は月執を値踏みするかの様に上から下へと視軸をずらしていく。

 

 「さて…。どうでしょう?」

 と白々しく月執は云った。


 「もし貴方が咎人なのでしたら。儀式に参加する資格は有ります。もし生き残れたのなら、貴方が望む、どの様な願いも聞き入れますよ…。どうです?参加する意思はありますか?参加して頂けるのなら詳細を伝えますけど…。」


 綺麗な笑顔。綺麗な聲。綺麗な仕草。純粋な少年の様な艶々とした瞳で月執を囚えていく。


 「どんな願い事も叶えてくれるって事?」

 月執はワークハットを目深に被り直すと、俯きながら言葉を並べた。


 「ソレなら参加したいけど…。貴方の云い様だと、参加者全員が咎人って事でしょ?ソレなら異能力の系統で優劣ありそうだけど…。ルールとかあるの?」


 「いえ。ルールは有りませんよ。最後の一人になる迄、殺し合ってくれれば良いだけです。ですが…一度に部屋に閉じ込めて殺し合うだけでは、儀式を観る側としては面白くはないでしょ?。」


 また嗤う。其処にも感情は何も無い。


 「ですから。トーナメント方式になっています。八人の咎人で殺し合う。そして…。最後まで生き残った者が…。蠱と呼ばれる依り代となる。ソレだけですよ。」


 「その八人はどうやって決めるの?」

 

 「既に決まっていますよ。」


 「どうゆう事?決まっているのなら参加出来ないよね?」


 「殺せば良いじゃないですか?そうすれば枠が空くでしょう?」

 また嗤った。


 「僕は四方堂しほうどう一葉かずは。こう見えても胎天地心教の教祖なのですよ。もし、貴方が興味があるのなら…。」


 そう云うと…。四方堂と名乗った人物は八枚の紙を月執にせたのだった。


 

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