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夢の跡。


 御伽噺の世界に迷い込んでしまったのでしょうか…。


 要塞都市東京西街区。私はランチに来ていました。世界が壊れてしまってから常識は崩れ、地獄の様な日々を過ごしています。そんな私でも視た事の無い様な異様な光景でした。多人数用のテーブルに女性が一人座っています。そして、その女性を囲む様に縫いぐるみ達が椅子に置かれていて、その女性は縫いぐるみ達に何やら話し掛けていました。


 「だって肉体の蘇生は現在いまの私には無理。肉体の傷は治せるけど…。魄が修正出来なくてね…。それはちゃんと生き返らせ様とはしたんだよ…。だから少し待ってよ。いつかは…。ねっ?とりあえず我慢して…。」


 私は眼を疑いました。眼だけではなく脳も心も自分自身でさえも疑っていたのです。どうしてかと云うと…。縫いぐるみ達がコミカルに動き、喋っていたのです。


 「いや…。何で縫いぐるみ?ってか…。もう何が何だか分からない…。」


 縫いぐるみ達は頭を抱えていました。私は、いつしか御伽噺の世界に迷い込んでしまったのでしょうか…。


 「レディ・ピクチャーズ・ショーってさ。写真とかも復元出来たりするんだけど…。そもそも写真の中に封じ込められてる魂ってさ。賞味期限?消費期限?みたいなのが49日迄なんだよね…。だからとりあえず魂だけは何とかしないとって思ってさ。【パラレル・ユニバース】って云う【咎】に封じ込めようとしたんだけど…。あっ。【パラレル・ユニバース】ってのはね。簡易的なアイテムボックスなんだよね。本来は時間の概念が無い場所でさ。温度も調整出来るから長期保存には最適なんだけど…。何故か魂やらの精神体には時間の概念が無いらしくて、長期保存出来なくてさぁ…。」


 女性は何やらブツブツと難しい話をしていました。少しだけ怖かったけれど、縫いぐるみ達がパタパタと動いてるので微笑ましい気分にもなっていました。


 「ちょっと待って…。」


 縫いぐるみ達は各各おのおの、喋ります。

 でも女性は言葉を遮る様に…。

 言葉を並べていったのです。


 「あぁ。ベルーゼって云う子がさ。縫いぐるみが好きなんだよ。だから【ビルド・ア・✖✖✖】って【咎】で縫いぐるみを創っていてさ。その在庫が大量にあったんだよ。だからさ…。試しに、その中に魂を入れてみたらさ…。何か大丈夫そうじゃない?いやぁ。皆、無事で何よりだよ。」


 「えっ?あっ?うん?」


 縫いぐるみ達はポカンとしています。


 その後も女性は色々と話し掛けていました。どれぐらい続いていたのでしょう?二、三時間経ってはいたと思います。いつからか縫いぐるみ達は何かを諦めて…。泣いている様にも見えました。


 「んでさ。聞いてくれよ。私が何で巫蠱の儀に参加したかって云うとさ…。」


 女性は縫いぐるみ達の事は気にせずに喋り続けます。


 「願いよりも、その叶え方を知りたかったんだよ。叶え方が解ればさ、友達が作りやすくなるんじゃないか?ってさ。でもさ、こうして皆に出会えたから。もう、ソレでどうでもいいかなって。」


 それでね…。


 その女性は幸せそうに喋り続けてました。まぁ。縫いぐるみ達は泣き続けていましたけど…。



 To Be Continued。

 物語は【受胎告知】へ…。

 移行します。

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