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ディストピアへ堕り立った大罪人⑨


 人を死に至らしめる…。


 視線の先には心装人器【フォーチュン・フェイデッド】の衣と骸骨が在った。先程迄、死体だったソレは…。蛆に喰い荒らされ骨だけとなっていた。【スメルズ・ライク・ティーン・スピリット】の能力で心装人器【フォーチュン・フェイデッド】と骸骨は融合する。漆黒の衣を纏った髑髏がカタカタと上顎骨じょうがくこつ下顎骨かがくこつを噛み合わせていた。


 【ジ・エンプティネス・マシン】


 月執は【咎】を重ねる。


 月執の前方に五十センチ真角の金属の箱が顕現した。その金属の箱の右面からは半身腐敗した馬が現れ…。前面からは半身腐敗した蜥蜴とかげが現れた。月執は金属の箱の左面に漆黒の衣の骸骨を配置する。


 「この【咎】の真髄はホムンクルスを産み出す事なんだけどな…。でもコレではまだ足りない…。」


 【グラッジ】【HUGs】


 「【グラッジ】は希望吸収。【HUGs】は生命力吸収。そして…。【フォーチュン・フェイデッド】は運の吸収。この能力を更に【ジ・エンプティネス・マシン】へと重ねていく…。」


 月執は両の手を広げる。


 蜥蜴とかげ。此処に居るのはコモドドラゴンなんだが…。と指を指す。此奴は獲物の血液凝固を阻害し、失血に依るショック状態を引き起こす毒。ヘモトキシンを持っているんだよ。と云った。


 「その毒に…。希望。生命力・運の吸収の能力を与えると…。致死的な疫病・・へと変異する…。」


 月執は嗤う。


 「どう云う事か解るか?」


 姫川は…。

 無言でめ付ける。


 「【馬】【疫病】【骸骨】の三つが揃った。ソレが錬金術で生命を得るんだ…。」


 光の無い瞳孔が放つ殺気が姫川を貫く。


 人を死に至らしめる【灰色の馬にまたがり、疫病を蔓延させる骸骨の馬乗り】の誕生だ…。月執の酷く凍てつく聲が吹雪いた。


 

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