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ディストピアへ堕り立った大罪人⑧


 滑稽だな…。

 私は、ただの嘘付きか…。


 これで月執様が使えるのは…。と指を折りながら言葉を紡いだ。


 「【ジ・エンプティネス・マシン】【グラッジ】【HUGs】。そして…。もう一つ。【スメルズ・ライク・ティーン・スピリット】」


 姫川は少しの間を空け。


 と、思い込ませようとしていたのでしょう?貴方が考えていた【八人の咎人】を…。と云った。


 姫川は月執を見下した視線で囚える。


 「月執様は虚言者でしたよね?嘘を扱い事実を歪ませる。私が識る【咎人】の【咎】をわざと連続として使ったのではないのですか?思い込ませようとしたのでしょう?月執様がストックしていた【咎】を…。そして…。警戒させ隙を覗っていた…。でも、その心配・・には及びません。」


 姫川は皮肉の言葉を刻む。


 「【境地】に至った時。月執様の【咎】の解析は完璧に出来ております。【エイトハンドレッド】の誤認識も解除しましたよ。月執様の【咎】【エイトハンドレッド】でストック出来るのは【八人の咎人の能力】。そして…。其処には【とどろき京也きょうや】の名前は有りませんでした。現在いま残っているのは、【ジ・エンプティネス・マシン】【グラッジ】【HUGs】。そして…。【パラノイド・アンドロイド】と云う【咎】だけです。その【パラノイド・アンドロイド】が最後の切り札でしょうか?その能力も解っています。もう…。騙されませんよ…。」


 「そっか…。」

 月執は、また俯いた。


 「もう万策尽きましたか?」

 姫川は嗤う。


 「滑稽だな…。私はただの嘘付きか…。」

 深く沈んだ聲で月執は呟いた。


 「えぇ。私から視た貴方はとても滑稽ですよ。月執様。貴方はただの虚言者です。騙せていると思っていても嘘はいずれはバレるモノですよ。ソレに騙せていると思っているのは自分だけで、実は嘘がバレている時も有るのですから…。虚言者が嘘を吐けなくなったら御仕舞ですよ。もう言葉は要らないですよね?では…。さようなら月執様…。」


 姫川は心装しんそう人器じんき【フォーチュン・フェイデッド】を取り出した。


 「御前の云う通り…。私は嘘付きだ。ソレで…。バレていると思わせる嘘が…。特に好きなんだよ…。待ってたんだ。御前が心装人器を出す時を…。」


 姫川は眼を疑う。

 姫川の瞳には薄ら笑う月執が居た。


 「私は…。嘘が人を救う事がある事も識っている。姫川、御前だってっている筈だ。胎天地心教の信徒なんだろ?って面白いな…。その時折で解釈が変わる。何で自分自身を信じないんだ?滑稽なのは御前だよ。」


 【スメルズ・ライク・ティーン・スピリット】


 月執は言葉の香りを纏った。


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