嘘①
あれれ?
「あれれ?」
ルルはオノマトペを産み出した。
「何?」「どうしたの?」
サラとベルーゼは言葉を重ねる。
「あれ?【エイトハンドレッド】って嘘を見抜くだけの能力じゃなかったっけ?」
「そう云えば…。」
ベルーゼは指を顎に添えた。
「どう云う事?」
サラは再び問う。
「こう云う事ですね。」
足元の影がプリズムの様に輝き出した。
「あっ…。」
ルルとベルーゼは思い出したかの様な表情になっている。サラは首を傾げた儘だ。キラキラとした光は人型となった。十九歳程の年齢の女性が現れる。
純白のドレスに身を包み、様々な高級品で身を飾り、数多くの装飾品を身に付けた女性だった。そして…。その装飾品の宝石が様々な輝きを放ち、真白な髪。前髪は眼を覗かせるライン。横髪は耳が隠れるライン。後髪は肩甲骨のラインで毛先は青い。不揃いの髪が風に揺れ、月明かりを反射し、輝いている。
「あっ。ジェーン久し振り。」
サラは小さく手を振った。
「お久しぶりですね。サラ。」
「で…。どう云う事?」
ルルは寝惚け眼だ。
「姫川でしたっけ?あの人が【境地】へと至る事が出来たのなら【虚飾】の能力で偽りの情報を魅せる様に月執様に命じられたのです。」
「ん?」
「何で?」
「どうして?」
三者三様の疑問文が舞う。
「特に意味は無いらしいのですが…。嘘が嫌いな奴に嘘で嫌がらせをしたいからと仰っていました。」
「でも…。ソレでも…オカシイよね?」
ベルーゼはジェーンの眼を覗く。
「だって…。少なくともサラは認識されている筈…。」
「あぁ。ソレも【虚飾】の能力で…。」
ジェーンは三人を手で招き…。
耳元で囁いた。
「【所在無き風船】として誤認識させていますし、少し前から私達の存在は隠匿させていますから大丈夫です。」
あぁ…。感嘆符が流れた。
月執明日花。
二十二歳。女性。
【知識】の咎を発症。
咎名【レディ・ピクチャーズ・ショー】
ステージIV。
合併症により…。
【知識】の咎も発症。
咎名【エイトハンドレッド】
ステージIV。
【レディ・ピクチャーズ・ショー】
身体能力の向上(特大)。相手の魂を写真に封じ込める事が可能。写真に封じ込めた魂への干渉が可能。顔が確認出来る写真であれば、その写真に封じ込められた魂への干渉可能。(ステージIV)
【エイト・ハンドレッド】
身体能力の向上(特大)。嘘を見破る事が可能。解析系統の【咎】に対する誤認識が可能。一度視た【咎】の能力を偽り、真似て、発症可能。ストック出来るのは八人迄。その後、使用した【咎】は消失。二度と使える事は無い。(ステージIV)
攻撃力 SSS
防御力 SSS
精神力《攻》S
精神力《防》S
俊敏性 S
器用値 A
生命力 A
運命値 S
此処に記載されたのは【虚飾】の能力で改竄されたモノである。




