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ディストピアへ堕り立った大罪人②


 ソレが真実だ…。


 【ディストピア】の権能けんのうで…。

 月執の能力が解析された。


 月執つきとり明日花あすか

 二十二歳。女性。【原罪】


 罪名

 【九大罪 ナイン・デッドリー・シンズ】

 能力【九つの大罪の擬人化に成功。その九人の大罪人を隷属させる事が可能。隷属させた大罪人の能力の一部が使用可能。】

 ステージⅦ

 全能力値 D(eadly)


 九人いる大罪人の内、現段階では四人を隷属させる事に成功。【怠惰】【暴食】【虚飾】【色欲】の能力の一部が使用可能。


 「何なのよ…。これ…。」

 胎天地心教で教え込まれた【新世界】のマニュアルから掛け離れている所為せいか…。姫川の思考は少し冷静となった。


 「ソレが真実だ。」


 『コレは虚勢プラフ…。漆川しつかわの解析能力に特化した【咎】【壁越ナイトしの監視者ストーカー】の解析結果では月執の【咎】【サッド・バット・トゥール】は嘘を扱う能力だと判明した…。ソレに間違いは無い。だとしたら…。私の能力解析を欺く為に、たった現在いま、【サッド・バット・トゥール】で改竄かいざんしたと云う事か…。』


 またしても…。激情に駆られていく。


 『嘘。嘘。嘘。嘘ばかりだ…。嘘は真実を歪ませる。私の求める世界。その世界を構築するプログラムには必要無いコード…。美しくは無いコード…。』


 姫川の内で…。

 プツリと何かが切れた。

 思考に矛盾が在る事に…。

 気付いてはいない…。


 「巫山戯ふざけるのも大概にしろよ。この虚言者が…。貴様も跡形も無く消えて無くなれ。」


 【ディストピア】の権能けんのうが発動した。月執の肉体が宙に浮上していく。


 月執の酷く落ち着いた聲が響いた。


 「そう云えば…。【サッド・バット・トゥール】って師匠の【咎】の名なんだよ。カッコいいから使わせてもらってたんだけど…。たまに使ってた【咎】は【エイトハンドレッド】って云うんだ。ソレは嘘を扱う能力じゃなくて、嘘を見破れるだけの能力…。その【咎】の持ち主に頼まれたんだよ。復讐して欲しいってな。それでさ…。」


 その言葉は…。空を舞うだけで…。

 姫川の耳には届いていない。


 「あれ?聞く耳持たず?怒りで我を忘れちゃってる感じ?あんなに説教垂れといて?あはっ♪嗤える。」


 月執は腹を抱えて嗤った。

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