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行間 姫川
とある感情を抱いていた事を…。
白鷺に嵌めた【ディストピア】の首輪へと意識を集中させ過ぎたのか…。姫川に【白鷺の死】の感覚が流れ込んできた。白鷺が何を想い、何に縋り、何を欲したのか…。その心情が痛々しい程に姫川の胎内を駆け巡った。産まれてから現在迄に感じた事の無かった【想い】が産み堕とされていく。
そして…。
姫川は気付いた。
いや…。
気付かされてしまった。
白鷺が死の間際に…。
とある感情を抱いていた事を…。
そして…。
姫川は気付いた。
いや…。
気付いてしまった。
白鷺の死の間際に…。
とある感情を抱いていた事を…。
『あの人は…。』
姫川は唇を噛む。
『あの人は幸福を感じていた…。』
姫川の肉体が震える。
『あの人の記憶に残ったのは…。』
姫川の心は焦がれる。
『私では無かった…。』
あぁ…。
いつもそうだ…。
何かを失って初めて…。
失くしたモノの…。
大切さに気付くのだ…。




