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揚羽と罪人③


 言ったでしょ?私は嘘付きだって…。


 「貴方は、どんな色で燃えてくれるのかしら…。」


 白鷺は翅を羽ばたかせ月執へと急接近し、前回転して右足を月執の頭上へと振り下ろした。月執は受け止める事はせず、後ろへと体躯を一歩半程、退く。その時…。動きに遅れた黒髪の先が白鷺の右足に触れてしまった。ジュッ…。と音と共に焦げた匂いが月執の鼻腔を刺激していく。


 「触れただけで瞬時に燃え尽きる感じか…。」


 「解っちゃった?そう。この肉体は凝縮された炎で構成されてる…。だから触れるだけで発火して消し炭になる…。ずっと考えてたんだけど…。貴方の【咎】って本当は【希望】の【咎】で…。身体能力を異常な迄に強化するだけの能力じゃないの?欲獣を倒した時は力任せ。渋澤円を倒した時は銃のトリガーを引く仕草をした後に中指と親指を使って中指を弾いてた…。その空気圧を渋澤の額に当てたんでしょ?そう私には視えてた…。そもそも嘘を真実に変えられる能力が本当だとしたのなら…。此の世界を元の世界に変えているでしょ?」


 「…。」


 「無言って事は肯定と捉えて良い?」


 「…。」


 「そう。それじゃ…。御仕舞ね。」


 「良い観察眼…。合格かな…。」


 【サッド・バット・トゥール】


 「私の攻撃は貴方に通る。貴方に触れても私に損傷は無い…。」


 月執の瞳から輝きが失せる。艶が無く感情の消えた瞳孔へと変化した。でもね…。そう一言発すると月執は跳躍をし、渾身の力を込めた左腕を白鷺の腹部へと突き立てた。グジュッと音が刺さり拳がり込むと、白鷺の口からは擬音が零れていった。炎に亀裂が産まれる。


 白鷺は驚愕の表情を浮かべ…。ソレから少し遅れ、脳内に疑問符が浮かんだ。


 「何で?って思った?」

 月執は嗤う。


 「言ったでしょ?私は嘘付きだって…。でもね…。私は嘘を吐いてない。私が貴方よりも強いのは真実だし、攻撃が通るのも私が無傷でいられるのも真実だから…。そして…。貴方にプレゼント…。」


 【レディ・ピクチャー・ショー】

 月執は両の手をL字の形にし、カメラのフレームを形創かたちづくった。


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