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前夜祭 咎罪と救済①


 君はあたしの弟子になりなさい。


 私が師匠と初めて出逢ったのは、世界が崩壊してから一週間程経った頃だと記憶している。第一印象は…。威圧的な態度で圧倒的な存在感を漂わせる幼女と云った感じだった。


 「ほほう。コレはコレは…。」


 可愛らしい声で似つかわしくはない言葉を奏でるとピョコピョコと近付き、私の廻りをグルグルと廻った。私は反射的に幼女を眼で追う。精巧な球体人形の様な可愛らしい幼女だった。艶やかな黒髪は肩にかかるか、かからないかのラインで緩やかな形を描き、うなじから耳にかけて少しずつ長くなっている。前髪は眉のラインで切り揃え、その下にある大きな瞳で私を視ていた。


 「よし。決めた。」

 『決めた?って何を?』

 「あたしは星月ほしつき天乃あまの。君はあたしの弟子になりなさい。」


 「はい?」

 自分でも驚く程の素っ頓狂な声が出る。


 「ん?君に断る権利なんか無いよ。だって君は…。特異点の存在?んー。違うな…。異端的存在って感じがするからね。放っておいたら世界が壊れて無くなる…。多分…。きっと…。そんな気がする。君、何歳?」


 「はい?二十一歳ですけど…。えっ?」

 何を云っているのか解らなかった。理解が追い付かない…。


 「まぁまぁ。君に此の世界の在り方を…。二十四歳・・・・のお姉さんが教えてあげよう。」

 球体関節人形は…。えっへんと普段では聞かない言葉を出した。


 「まぁ。君は異能力者なんだろ?巷では【咎】と呼ばれてる能力なんだが…。と、まぁその前に…。【咎】って何を意味するのか知ってる?ん?ん?」


 大きな瞳で私を視ている。


 「ニュアンス的にはだ。【咎】とは個人的な過失や欠点、負目みたいなモノだ。でも…。君から感じるのは…。そうだなぁ。何方どちらかと云えば【罪】って感じだな…。【罪】とは【社会的な法に触れる行い】と【人としての道徳や神の法(真理)から外れる事】を指すんだ。んで…。君のは【咎】と云うよりも【罪】っぽい気がする。あたしと同じ匂いがするんだ。あたしの【咎】【サッド・バット・トゥール】が、そう警告している。」


 ソレがそうなんだろ?そう云うと…。球体関節は私の足元を指差した。


 私の足元には影がユラユラと蠢いている。その影は幾重にも重なっている。合わせて十と云うところか…。


 「はい。コレが私の【異能力】です。」


 直感的だった。

 この人なら信じられる気がした。


 「この【異能力】の名は…。」


 


 咎罪きゅうざい

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