前夜祭 未来をある程度予測できるなら②
世界はコードで構築されたプログラム
蠱毒って知っているかな?壺の中に有毒生物を閉じ込め、殺し合わせる。最後に生き残った生物の毒を用いる古代の呪術なんだけどね。ソレを人間で行おうと計画している。もしソレで生き残れる者がいるのなら胎天地心教の本尊に相応しいと僕は思うんだ。で…。君はどう思う?と…。一葉様は私に問うた。
「はい。私も、そう思います。」
考える必要は無い。一葉様が、そう云うのだから間違いなどあろう筈も無い。ただ私はソレに従えば良いだけ…。私は緻密に動く歯車である。少しの歪みも許されはしない。与えられた事を完璧に成し遂げる事が幸福の近道なのだから…。
私は機械の様に淡々と動く。世界が円滑に廻る様に淡々と動く。そして…誰しもが今日も昨日と同じ時を過ごし、明日も今日と同じ時を過ごす事。其れこそが理想なのだろう。プログラムを組んで世界を構築する。機械の様に生きられるのなら、変わらない毎日を過ごせるのなら…。ソレは未来が解るのと同意義になる…。余程の事が無い限り、今日も明日になると云う事だ。
想定外の事があるのなら、出来うる限り排除する。徹底した規律で統治出来るのであれば、誰もが幸せになれるのだろう。
私の【咎】が語り掛けてくる。
『全体主義的な監視社会。徹底した管理、抑圧。個人の自由、権利を制限する社会こそが誰もが幸福になる為の唯一の方法。』
世界はコードで構築されたプログラム。
だからこそ…。
美しくても…。
余計なコードは必要無いのだ。




