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前夜祭 僕の人生は君の人生を捕食する②


 そう記されていた。


 【金属製の箱】がパズルボックスと呼ばれるモノだと識るのは中学生になった頃だと記憶している。パズルボックスとは箱の表面にある仕掛けを論理的思考で解いていき、箱を開封する【知恵の輪】の要素のある立体パズルの事だ。僕は、その魅力にまれてしまった。複雑に成れば成る程に達成した時の快感が高まっていく。


 あの時に拾った【箱】は、どんなパズルボックスよりも複雑だった。中学から高校へと進学して様々な知識を身に着けていったのにも関わらず、開封には至らなかったのだ。


 僕はゆうと共に過ごす時間よりもパズルボックスを解く事の方に時間を割いてしまっていた…。


 そうだ。その頃から遊の行動に変化があったのかも知れない。自傷行為を繰り返し、その傷跡を僕に見せてきたと思う。その傷跡を見せては僕を不思議そうに見てくる。何かを期待している様な表情に見えた時もあった。


 大学へと進学する少し前、僕は【あの金属製の箱】を開封する事が出来た。そして僕は、あの金属製の箱の中に一枚の変色した紙が入っている事を識った。


 【おめでとう。そしてありがとう。この絡繰り箱は私の人生そのモノ。私の【知識】の集大成とも云えるモノ。私は人生での時間を捧げて、この箱を作った。この箱を開封するのに、貴方は何れ程の時間を費やしたのでしょう?貴方は私と同じ…。時間を捧げる事で大切な何かを知らぬ間に犠牲にしていた…。貴方が失ってしまった何かを取り戻せる事を祈っています。私は何もかもを失ってしまったから…。】


 そう記されていた。


 

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