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前夜祭 僕の人生は君の人生を捕食する①


 綺麗な金属製の【箱】を見つけた。


 愛する人に裏切られた時から僕は壊れてしまっていたのだろう。


 『裏切られた時?』

 ソレは何時からだったのだろうか…。


 彼女が大学に通い始めてから?多分、違う。きっとソレよりも大分前からだったと思う。何時頃いつごろからか彼女の綺麗な心の底には、何か【歪んだモノ】が潜んでしまったのだ…。


 コレから紡がれるのは美化された思い出であり、他愛もない記憶の断片でもある。


 湯田とうだゆう。ソレが彼女の名前だ。家が隣同士と云う事、親同士も幼馴染みと云う事。だから僕達は当然の様に幼い頃から一緒にいた。


 彼女の性格は僕とは真逆で、自由奔放な性格だった。好きな事を好きな時にし、思い付いたら直ぐ様に行動に移す。無邪気で純粋な子供の様な彼女。そんな彼女に憧れてもいた。


 小学四年の頃の或る日、僕等が河川敷で遊んでいた時の事。


 僕は綺麗な金属製の箱を見つけた。その箱は正方形で、その六面には複雑な幾何学模様が刻まれていた。当時の僕等は【知識】が無かったから、ソレを神秘的な宝箱なのだと思い込んでいたと思う。


 「遊。見て見て。何だろ?コレ?」

 僕は【箱】を手に取り、遊にせた。


 「あぁー。綺麗。」

 遊は僕の掌から【箱】を取る。


 その時、遊は小さく悲鳴をあげ【箱】を落とすと涙を流した。


 「どうしたの?大丈夫?」

 僕は遊に言葉を掛ける。よく見ると遊の右手の人差し指からは血が流れていた。


 僕は反射的に、その指を口に含んでしまう。ソレは僕が指を怪我をした時に、母親がしてくれた事を模倣しただけの行為だった。


 口の中に血の味が広がっていく。


 遊は不思議そうに僕を視てた。

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