元カレとクソぶりっこ
私は兎飼月子、高校三年生、魔法少女。
使い魔は翼の生えたライオンのぬいぐるみに見えるよう擬態したフィンクル。
そして彼は私の元カレのシュージ。
「はい、これいつものラテ!」
「ありがと。シュージ、今日も優しくてビジュよくて偉い偉い。リセめっちゃシュージ好き!」
「オレもリセのこと好きだよ。」
「そこは[めっちゃ好き]って言ってくんないとさ。私がガッついてるみたいじゃん。対等でしょアタシらって。」
「うん。そうだね。ゴメンネ。」
(死ねよクソビッチ!人の彼氏寝とった上に、なにを人前で調教してくれてんだ!!)
あそこの公園で人の元彼と人目も気にせずイチャついてるピンク髪のバカ女は緩丸莉星[ゆるまるリセ]。
そしてイヤイヤバカ女に付き合わされてる韓流アイドルにしか見えない激艶男子が明良修二[あきらシュージ]。
何度も言うが私の元彼だ!!
なぜ私がそんな2人をこんな汚い場所に隠れて監視しているかと言うと、それはあのクソ女が浮気をしていると言うウワサを聞きつけたからである!!
「絶対に証拠を見つけて別れさせてやる!そして傷心したシュージの心を私が持ち前の包容力で癒して‥グハッ」
殴られた。痛いっ!
「ちょっとフィンクル!なんで殴るのよ!」
『だって月子、気持ち悪いよ。』
「気持ち悪いって何よ!私一応アンタの飼い主なんですけど!」
『飼い主じゃなくて契約者ってだけなんだけどな‥。』
「なんか言った?」
私の暗黒微笑を見たフィンクルはカバンの中に自ら戻った。
「ちょっとまたあの人来てるんだけど。」
(しまった。フィンクルのせいでバレた。)
私は急いでその場を立ち去ろうとする。
「ねぇシュージ!あいつ、ケーサツとかに相談したほうがいいのかな。」
「いや流石に、一応同じ高校だしさ。」
シュージが私を庇う声が聞こえた。
(シュージのために調査してるのわかってくれてるんだ!嬉しい!)
思わず走りながら笑ってしまう。
読んでいただきありがとうございます。
ちゃんとおかしな雰囲気が伝わってると嬉しいです。