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4話 スキル連取

 神託を受け、スキルを頂いた日の翌日。

 

 私は父と母に『クイズ』スキルを安全に使えるようになるために訓練した方が良いと言われ、いろいろと試行錯誤している最中だ。


 

『イカロスの翼』はイメージを思い浮かべるだけで簡単に空を飛べてしまった。

 

 あまりの呆気なさに驚くが、空を自由に行動出来るのはいい気分だ。

 

 また蝋でできた翼を触ってみるが触られたという感触はなく、一度解除すると再使用までに5分必要である。


 

 私は空から見つけた、周りより一際高い丘の上に降り立った。

 

 一面が草原であり、緑世界だ。


 

 私は心で「クイズ」と唱える。

 

 表示された「Quiz」ボタンを押す。


 

 《漢字では『苦無』などと表記さ――――――「クナイ」

 

 《正解です。称号「クナイの才能」を獲得しました。》


 

 《『体は小さくても気が強く、才能にも優れ――――――「山椒は小粒でもぴりりと辛い」

 

 《正解です。称号「小山椒(しょうさんしょう)」を獲得しました。》


 

 《日本語では『自動体外式除細動器じどうたいがいしきじょさいどうき』と――――――「AED」

 

 《正解です。スキル「AEDショック」を獲得しました。》


 

 《単子葉植物の葉に見られる、縞状に幾筋――――――――「平行脈」

 

 《正解です。スキル「平行脈・操」を獲得しました。》


 

 あまり簡単なため、1〜2分で4つのスキルを獲得してしまった。

 

 やはり、このスキル、チートだよね?

 

 

 スキルではなく、称号を獲得することもあるのか。

 

 何が違うのだろうか?

 

 このまま鑑定を行なってみる。



 ――――――――――――

 称号:クナイの才能

 効果:クナイを扱う際、扱い方を理解できます。

 演繹:クナイを所持していない場合、発動しません。

 ――――――――――――


 

 ――――――――――――

 称号:小山椒

 効果:自分より体が大きい相手と敵対した際、自身の攻撃と防御の効果が1.5倍になります。

 演繹:全長161cm以上の敵に効果があります。

 ―――――――――――― 


 

 ――――――――――――

 スキル:AEDショック

 効果:自身の手から電気ショックを起こし、対象を心肺停止状態から復活させることができます。

 演繹:使用の際は周囲の人々に、離れるよう喚起しましょう。

 ―――――――――――― 


 

 ――――――――――――

 スキル:平行脈・操

 効果:単子葉植物の葉に見られる、平行脈を操ることができます。

 演繹:操れるのは平行脈のみです。葉は操れません。

 ―――――――――――― 


 

 称号は自動的・永久的に発動するスキルのことだろう。

 

 それにしても、出題されるクイズのジャンルがまばらだ。

 

 1つ1つのスキルに慣れていくしかない。


 

 丁度あたり一面は草が生い茂っている。

 

 その一つを観察すると、茎を中心に左右に葉が生えている。葉の先はとがり、基の部分は鞘状になって茎を抱いている。

 

 葉の基から先にかけて葉脈が平行に伸びている。つまり、平行脈だ。

 

 葉の形状はツユクサにそっくりである。

 

 これはツユクサなのだろうか?


 

 何はともあれ、『平行脈・操』が使用できるだろう。

 

 「平行脈・操」

 

 脈がぴくりと動いた。

 

 

 私は脈が伸びるイメージをする。


 するとイメージ通りに脈が伸びる。

 

 しかし、葉は全く動かない。葉の中の葉脈だけが動かせるのだ。

 


 「このスキルを使う日は来るのだろうか。」

 

 つい言葉が漏れる。


 

 気を改めて、新しいスキルを獲得しようと「Quiz」ボタンに手を伸ばす。

 


 その時だ。


 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」


 

 後ろの方向から、大きな咆哮が聞こえる。

 

 振り向くと、近くには何もいない。


 何m、何km先だろうか?

 

 緑一色の世界を汚すように小さな黒い点が見える。

 

 遠くに熊でもいるのだろうか?

 

 先程の咆哮や、ほとんど見えないが、動き方からして何かを襲っているのかもしれない。

 

 ここは村に近い。村の人達だったら大変だ。


 

 私は咄嗟に走り出した。

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