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魔法の事典  作者: 河野彰広
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魔法とは

 そもそも魔法とは何か。


 師匠が言うには、現代の科学では説明のつかない現象や事象をひとまとめにした呼び名に過ぎないとのことだ。魔法に関する知識を持たない人々が、科学の未熟さをごまかすために都合勝手よく魔法という言葉を使っているに他ならないと。


 魔法とは一定の手順を踏めば、常に同じ結果を得ることができる。

 その都度結果が異なるようであれば、それは魔法とは呼べない。そんなものはただの偶然であり、奇跡だ。

 魔法には明確な法則性が存在する。それは科学と同様である。


 かつて人がまだ猿同然だった頃は炎や雷も魔法の類として認識されていた。

 しかし時が経ちその原理が解明されれば常識の範疇となり日常の一部と化した。人々はその原理を科学と呼んでいる。

 魔法とはいわば未だ科学では解明できていない事象を指す言葉である。


 師匠は言っていた。今、自分が使っている魔法もいずれは科学的にその原理が解き明かされ、誰もが知るありきたりな物理現象へと成り下がるだろうと。時が経てば魔法は科学へと置き換わっていくのだと。


 そしてこうも言っていた。

 しかしそれはまだ遥か先のことだと。

 魔法とは科学の先を行く存在である。ならばこそ、魔法を語るときは誇りを持ち胸を張れと。自分達は今、科学さえも追いつけない最先端を歩んでいるのだからと。


 そう言って勇ましく不敵に笑う師匠の姿を、私は今も覚えている。


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