表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日は何の日番外編 7月6日 ワクチンの日

作者: 毎日がエブリデイ

本編との時間的つながりは今のところありません


高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。「摂取」と「接種」を時々間違えそうになる。

田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。ワクチンのことは正直よくわからない。


武たち 高橋の家に住み着く幽霊一家。

ここはとある郊外のコンビニ。


「マスクっていつまでつけなきゃいけないんすかね…」


「コロナが収まるまで…ってこれほんとに収まるのかね?」


「海外ではマスクなしでもOKの国もあるじゃないっすか!なんで外しちゃダメなんすか⁉︎」


「まあ状況も考え方も違うしな…日本でももうマスクしてない人もいるだろ。少数派だけど…」


「早く大手を振ってマスクなしで生活したいっす…もしくはネプチューンマンのマスクにしたいっす」


「口も鼻も出てんじゃねーか。ただのおしゃれだろ、それ」


「ところで高橋さん、ワクチンうちました?」


「いや、まだ順番も来てないし。早くうちたいんだけどな」


「60代の高橋さんがまだなら、ぼくはもっと先ですね…」


「誰が60代だ。年代でいえば君と同じだっつうの」


「…でもワクチンってほんとに大丈夫なんすかね…?」


「ああ、副反応がどうとかいうやつか。どうなんだろうな。ちなみにうちの父親はなんともなくて、母親は腕の腫れと熱が2日間ぐらいあったらしい」


「うちの両親は1日寝たら治ったって言ってましたね。でもなんか得体の知れない副作用とかあるかもしれないじゃないっすか…」


「たとえば?」


「そうっすね…身体機能が超強化されて、超能力に目覚めて、アべンジャーズに参加することになってしまうとか…」


「ポジティブなのかネガティブなのかわかりにくい心配だな…」


「やっぱりワクチンうつ前に決めポーズとかコスチュームとか考えておいた方がいいっすかね?」


「いらないと思うぞ。別に止めはしないけどさ…」


「正直うつかどうかも迷ってるんすよね…なんかいろんな情報がありすぎてわかんないっす…」


「集団免疫って考え方だとうった人が多い方が効果が高いらしいけどな。まあ最後に決めるのは自分だし、そこはなんともいえないけど」


「もう少し考えてみます…どうせ順番はまだこないですし…ちなみにワクチンに関する記念日ってあるんすか?」


「ああ。7月6日がワクチンの日だ。1885年のこの日、フランスの細菌学者ルイ・パスツールの開発した狂犬病ワクチンが初めて接種されたことに由来してる」


「7月6日…サラダ記念日じゃないっすか!うーん、これはワクチンうつしかないかもしれないっすね!」


「その理屈はわからんが…まあ何かのきっかけになったならそれでいいか」


「あーあ、早く収まってくれないっすかねぇ。前みたいにみんなで気兼ねなく遊びに行ったり旅行に行ったりしたいっす…」


「そうだな…といいたいとこだが、正直生活あんまり変わってないんだよな、俺…」


「うそでしょ…コロナの前からステイホームしてたんすか…?」


「まあ友達もいないしな…家での過ごし方で変わったのはマスクするようになったことくらいかな」


「えっ、家の中でも?なんでっすか?」


「武さんたちにうつさないようにだよ」


「幽霊なんだから大丈夫でしょ…病気もなんにもないっすよ、きっと」


「俺もそう思ってたんだけどさ…武さんたちもマスクしてるんだよな…」


「えぇ…」


「家で武さんたちと飲むときはマスク会食だよ。まあ喋ってるのは俺だけで、あとはラップ音なんだけどさ…」


「傍目からみると異様な光景でしょうね…自分の家で一人でマスクしてお酒飲んで独り言言ってるって…」


「言わないでくれ…わかってるから…あっ、でも田中くんと遊びにいくのがなくなったな。それは寂しいかな」


「へっ⁉︎あ、そ、そうっすか…ふふん!しょうがないっすね!コロナ収まったらまた遊んであげてもいいっすよ!」


「ああ、頼むよ。楽しみにしてる」


「う、あ、は、はい…///」


「? どうした?」


「い、いやなんでもないっす!そ、そうだ、マスク会食といえば、最近はお店で普通にマスク外して話してる人たちがいるじゃないっすか!あれが許せないっす!」


「まあ感染対策の考え方も人それぞれだしなぁ…」


「こっちは一人で食べるか、友達と食べるときも黙食してるんすよ!ずるいっす!」


「そうだな…まあたとえば家族とかかもしれないし…個人的には外食するときには家族でもマスクして話して欲しいけど…」


「家でもマスクしてる人は少数派っすかね…」


「そうだろうな。家族間での感染も問題になってるけど…」


「あっ!」


「ん?どうした?」


「…もしかして外食するときにマスクを外して話してる人たちは、家族かあるいはそれに準ずるような関係にあるかもしれないってことでは?」


「ま、まあそうかもしれないな」


「この前見かけた女子高生2人組やスーツのサラリーマン2人組も恋人同士の可能性が…?」


「そ、それはどうだろう…?」


「…と」


「と?」


「尊い…」


「えぇ…」


「今日見かけた男子大学生3人組もそうかもしれないってことっすね!うへへ、これは捗りますね!」


「腐ってやがる…早すぎたんだ…」


「失礼な!同性愛は生存本能を凌駕した真の純愛っすよ!それを美しいと思うのがなにが悪いんすか⁉︎」


「それはいいんだけどさ…『うへへ、捗る』ってセリフからは欲望にまみれてる印象しか受けないんだが…」


「…失礼しました。ちょっと滾り過ぎましたね…」


「戻ってきてくれてよかったよ…」


「ま、コロナ禍にはコロナ禍なりの楽しみ方があるってことで!」


「どんなオチだよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ