47話 サボテン魔法陣
「僕は、一体どうすればいいんだ?」
あれから一睡もせずに悩み続けて、答えが出ないまま朝になり、昼が過ぎ、そして小桜さんが来る時間目前になる。
「マズい。このまま小桜さんに会う訳には」
いっそ面会謝絶の札を付けてもらうか? いやいやそれじゃ余計な心配をさせてしまう上に森谷さんに怒られる。そうして考えれば考えるほど泥沼に沈んでいき、このまま溺れて窒息死するんじゃないかと危惧していたら、遂に病室の扉が開いて、
「小桜さんごめんなさい!」
脊髄反射で謝罪したら、そこにあったのは小桜さんの姿ではなく、
「あれ? なんでおねーちゃんに謝っ……、どしたのその顔!?」
「なんだ美羽ちゃんか。ちょっと寝不足で」
「ちゃんと寝なきゃ駄目だよ! あとどうしてサボテンがおにーちゃんを囲む様に並んでるの?」
「それは魔法陣っぽく並べたら、小桜さんの真意が見えるじゃないかって」
徹夜で悩み抜いた明朝、薄れゆく意識の中で朝日に照らされた窓際のサボテンを見て閃いたのだ。このサボテンに全ての謎が隠されていると!
なのでサボテンをマジックハンドで手繰り寄せてから、まずはサボテン全てに名前を命名。今はサボテン達と楽しく会話をしていた最中で、もうちょっとで小桜さんの秘密も教えてくれる所なのだ。
「はっ! もしかして頭に刺せば小桜さんの真意が!」
「しっかりしておにーちゃん!! 頭まで怪我しちゃったの!?」
そう指摘されてサボテン没収。
濡れタオルで顔をゴシゴシと拭かれてから心配そうに尋ねてくる。
「おねーちゃんも最近変だけど、何があったの?」
「……もしかして、バレバレ?」
「え? あれで隠してたの?」
心底意外そうな顔になる美羽ちゃん。
森谷さんどころか小学生にまでバレバレで、どうやら僕は隠しごとが下手糞らしい。
「実は、小桜さんと喧嘩しちゃって」
「そうなの?」
「うん。だから小桜さんに嫌われているんじゃないかって」
「それは無い!」
「どうして言い切れるの?」
「あー、それは……、それより喧嘩の原因って何?」
そう言われて、言葉に詰まる。
原因は美羽ちゃんだけど、それを本人に伝える訳にはいかないし、下手に暴露して精神的負荷を増やすわけにもいかないけど、これ以上嘘を重ねるのもマズい気がしてならない。
そんな葛藤で沈黙していたら、
「そっか。美羽は子供だから、しょうがないね」
しょんぼりしながらも笑顔で美羽ちゃんが励ましてくれた所で、心が折れた。
これ以上はもう何のために嘘をつくのか、理由が見い出せない。
そう悟ってから、これまでの経緯を全て暴露となりました。
土曜はちょっと遠出します




