02話 スリーサイズ
どうしよう、すっげー怪しい。
サラッと見てみたけど、名前、年齢、身長、体重、趣味、携帯番号、スリーサイズ、将来の夢という項目がズラリと並び、これを全部書いたら個人情報ダダ漏れである。
「これに記入しろと？」
コクコク（首を縦にふる）
「でもこれ、学校プリントじゃないですよね？」
コクコク（首を縦にふる）
素直な反応だけど、どうしよう。
学校資料や花飾りを持ってきてくれたのは感謝だけど、だからといって個人情報を売るのは別問題だ。てゆーかこれって詐欺なのか？ この先輩からは悪人の雰囲気が全く無くて、不器用なくらい真っ直な印象だ。
「すみません。これを書く理由を教えてください」
無反応？ いや、よく見ると体が小刻みに震えていて、目もバタフライのように泳いでいて、これが漫画なら汗だく・目元を暗くする描写が入っていただろう。
「ええっと、じゃあ先輩が項目を全部埋めて自分にくれたら、僕も書きますよ」
会って間もない男に自分の個人情報を売る女はいないだろう。我ながら上手い返しと感心していたら、そんなことでいいならと言わんばかりな勢いで先輩が項目を埋め始める。
どうしよう、これは予想外だ。てゆーかスリーサイズって項目まであったけど、女の子なら口が裂けてもいえない情報じゃないの？ 流石にそういう項目は空白だよね？ そう困惑しているうちに書き終わり、プリントが渡される。
「確認していいんですよね？」
コクコク（首を縦にふる）
見てはいけない気がしてならないけど、自分から提案した以上拒否できない！
いやいや大丈夫。きっと女の子のアレな情報は空白だろう。そう願いなからプリントを受け取ったが、そこには全ての項目が埋まっていたのである。
なんで男にスリーサイズ項目？ その辺はラノベあるあるお約束ということで（笑）
