表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

善人顔は世界共通?

作者: KEN

僕の46年の人生の中で海外旅行経験は3回、一度目は、二十歳過ぎの頃にサンフランシスコ在住の、遠縁にあたる叔母の元を訪ねたアメリカ旅行。



二度目は25歳の頃、フロリダ州のディズニーワールドとユニバーサルスタジオへ訪れた新婚旅行。



三度目は7年前の春、3か月の入院生活から解放をされてしばらくした頃、気分転換のリフレッシュを兼ね、オーストリア在住の姉宅で2週間程お世話になった旅行の3回です。


この三度の内、どの海外旅行も思い出が沢山あるし、日本とは違う生活習慣や不思議だと感じる出来事を色々と体験しましたが、一番に印象に残っている不思議体験はオーストラリア旅行で訪れたメルボルンの街での出来事です。



姉がオーストリアで生活を始めたのは今から20年以上前、語学留学を目的に1年の予定のはずでオーストラリアに渡りホームステイを始め、その留学中、同じ英語学校に通う中国人の男性と交際を始め、数年の後に結婚をし、現在はオーストリアでの永住権も得て、2人の男の子にも恵まれ、メルボルンの郊外に自宅も購入をし、家族4人で幸せな日々を過ごしています。



姉の旦那さん、義兄とは一度だけ日本で顔を合わせたのですが、20年前当時は発展途上中とも言える中国からオーストラリアに語学留学をするとなれば、かなり真面目な感じのする男性、だから


「日本からのお土産を何にするか?」


悩みながらも、男にとって世界共通で嬉しいはずのお土産を持参すると義兄も凄く喜んでくれて、オーストラリアに滞在中は本当の家族のように親切に接してくれました。



この時に「何を御土産に持参したか?」は敢えてここでは書かずに、気が向けばいつか紹介するつもりです。



話を元に戻しまして、オーストラリアに到着してから姉の自宅でお世話になりながら、色んな観光地に連れて行ってもらえたのは本当に楽しくて驚きの連続でもありました。


義兄は観光に携わる仕事をしている関係でかなり忙しいらしく、姉家族みん一緒に観光地へ行ったのは南海岸(地名は忘れました)に野生のペンギンを見に行った1回だけだったのですが、その変わりに姉はほぼ毎日ぐらいに近場の観光地へと連れて行ってくれて、楽しいながらも少し疲れを感じ出した時期、僕が本当に心から「楽しい」と思ったのは、夕方に近くの公園を散歩しながらベンチで休憩をしている時、地元のご高齢の人と仲良くなれた事が一番に楽しかった思い出です。


地元の見ず知らずのご高齢者が、見るからに東洋人の僕にフレンドリーに接してくれたのには、改めて自分の『善人顔』を認識したと同時に「僕の善人顔は世界共通なんだ・・・」と解釈をしました。


と言うのも、僕はかなりの善人顔をしているらしく、日本でもよく道を訊ねられたり、観光地に行けば必ず見知らぬ人からカメラのシャッターを頼まれたのは、日本だけじゃなくてそれまでの2回の海外旅行でも数回、外人さんからシャッターを頼まれたり、そんな善人顔だからこそオーストラリアの公園でもベンチで休憩をしていると、何回も地元のお爺さんお婆さんから気さくに話し掛けられて、英語なんてサッパリながらも、片言の単語だけですぐに打ち解けられるのが嬉しくて嬉しくて、2週間も滞在しているとすっかり自分の英会話力にも自信が付いたと思い、帰国前にどうしても冒険がしたくなり、1日だけ1人でメルボルンの街を探索する事にしたんです。


自分の英会話力に多少の自信が付いたとしても、地名や英語の文章がサッパリなのには変わりがない状態なので、姉に詳しく書いてもらった『特製観光ガイドメモ』を見ながら電車でメルボルンの街に到着、駅から外に出ると季節は秋から冬へと変わる時期だったので、ビルの合間を行き交う人たちの服装は秋物の服と冬物の服を着ている人が半々ぐらい、それなのに僕は日本と違うメルボルンの湿度や日差しに慣れていないせいなのか?


それに少し緊張をしていたのも関係をしていたのか?


何故かかなり暑く感じ汗が吹き出して来たのでTシャツ1枚、義兄から「肌着変わりに」と譲り受けたTシャツ、背中にデカデカと漢字が何文字もプリントされているTシャツ一枚の上半身、日本では季節外れで恥ずかしく感じるはずの服装でも、カジュアルな服装が一般的なオーストラリアなので、大都会の街中にも関わらずさほど気にもせずに観光を始めました。



観光パンフレットと姉特製の観光ガイドメモを片手に、少しドキドキしながら宛ても無く何気なく街中を探索していると、おそらく・・・


と言うより、確実に観光客らしき外人さんからしょっちゅうカメラのシャッターを頼まれるんですよ、日本でも観光地ではしょっちゅうあった出来事なので


「僕は親しみやすい善人顔をしているのでしょうがないか?それにしても半端な人数と違うなぁ・・・それに何で東洋人ばっかりから・・・」


と、少し不思議に思いながらも、意味不明の言葉でカメラを渡されると、愛想良く引き受けながらメルボルンの街を堪能しました。


この時、写真を写した後にカメラを返すと


「ARIGATOU」


の言葉じゃなく


「シェイシェイ」


とのお礼を言われるのも、海外では日本人が中国人に間違われるのもありがちな話だし、オーストラリアの小学校では選択制の外国語授業があり「中国語が一番に人気がある」と姉から聞いていたのもあるので、あまり気にもしないようにしていたのですが、明らかに中国語で会話をしている東洋人からも「シェイシェイ」とのお礼の言葉が、その後には親しげな中国語で喋りかけられる回数も半端じゃなかったのには、かなり不思議な思いになりながらも、日本から離れた遠い異国の地の空気を肌で感じて歩くのは本当に楽しかったです。



そうこうしながら半日以上も歩き続けて足がくたくたになった夕方にはすっかり緊張感もなくなり、汗ばんだTシャツ1枚の上半身に肌寒さを感じたので、上着を羽織り直してから駅に向かい、大都会メルボルンの街にさよならを告げて姉の家に戻りました。



その日の夕食時、メルボルンの街での不思議な出来事を姉に説明すとる、姉は少し驚いた表情と口調で



「KあんたまさかTシャツ姿でうろちょろしたん?


そのTシャツの背中にデカデカとプリントしてる


『照相机的快門承担』


って漢字の意味は


『カメラのシャッターを引き受けます』


って意味やで!」と教えてくれました(・・;)





かなりベタなオチになったこの話を・・・




信じるか信じないかは・・・



あなた次第です・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ