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異世界ブギウギ。  作者: 渡良瀬ワタル
222/373

(大乱)25

 俺は足を止めてイライザを見た。

彼女も同時に足を止めた。

俺を一瞥して平然と言う。

「囲まれたようですね」周囲に目を配る。

 流石は獣人の勘働き。

私もイライザも動き回れる事を優先した革の防具。

主武器は共にM字型の複合弓。

剣帯には短剣と矢筒。

素早く矢を抜き取り応戦態勢。

 残った四人が距離を詰めて来た。

カールが俺に問う。

「囲まれたのですか」

「問題ない。

正面からヘルハウンド三頭。

右からパイア五匹。

左からモモンキー二匹。

バックアップチームには手出し無用の合図を出してくれ」


 イライザが複合弓で三連射。

ヘルハウンドがブレスフレイムの距離に入る前に三頭に命中させた。

けど、それで三頭に致命傷を与えた訳ではない。

来る速度を落としただけ。

 俺も遅れて複合弓で三連射。

同じくヘルハウンドに命中させた。

二本も喰らうと魔物でも深手。

三頭の動きが目に見えて落ちた。

 イライザが仕留めにかかった。

三頭の動きを見ながら、右目を、喉を、耳を、確実に射貫いた。

俺は手出しせず、それを見せてもらった。

こんな感じでカールも射貫いたのだろう。

怖いわ。


 カールはコリンとスチュワートを従えて右のパイア五匹に向かった。

三人は軍の防具を身に纏い、左手に丸い盾、右手に長剣。

それでもってパイアの相手をした。

 カールは手慣れているので即座に二匹を斬り捨てた。

コリンとスチュワートは慣れていない。

四苦八苦。

事前の注意が利いているのか、盾を使っての防御主体なので、

怪我だけは避けられた。

そこへカールが加勢した。

また槍でモモンキー二匹を屠ったアドルフも加わった。


 かなり離れた地点からバックアップチームが見守っていた。

俺もイライザと一緒になって見守った。

皆が見守る中でコリンとスチュワートが奮闘した。

カールとアドルフは加勢はするが、仕留めない。

的確な指示を飛ばして年若い二人を走らせた。

 ようようの事で終わらせると二人はぐったりした。

崩れ落ちるように腰を下ろし、汗を拭った。

呼吸が荒い。

「終わった」コリン。

「怪我してないか」スチュワート。

 二人は顔を見合わせて苦笑い。


 俺は二人に告げた。

「魔卵や売れる部位を切り取らないと終わらないよ」

 俺とイライザはヘルハウンドに足を向けた。

アドルフはモモンキーに向かった。

コリンとスチュワートはカールに呼ばれた。

「おい、早くしないと生き返るぞ」

 そんな事はないが、カールはナイフを手にした。

呼ばれた二人は急いで長剣の血糊を拭い取った。

「今行きます」


 と、先の大樹海から悲鳴がした。

「グッキャー、グッチャー」妙な悲鳴もあったもんだ。

 一頭が駆けて来た。

二本足を目にも止まらぬ速さで回転させていた。

長く太く伸びた首、

鈍そうな嘴。

両側に羽根があった。

高さ2メートルほどの鳥が逃げ出て来た。

大樹海を抜け出たと言うのに、飛んで逃げる様子を見せない。


 鑑定した。

ダッチョウ。

鳥の種から枝分かれした魔物。

武器は蹴り足、鈍器のような嘴。

大きくなれば高さ2メートルにまで育つ。

風魔法が使えるようになれば空を飛べる。


 育ち切ったダッチョウが何故か悲鳴を上げて逃げて来た。

何に追われているのだろう。

俺達は解体を中止して一ヵ所に集まった、

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