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異世界ブギウギ。  作者: 渡良瀬ワタル
215/373

(大乱)18

 俺はサンチョが教えてくれた場所に赴いた。

同じ東区画スラムの中だが、サンチョのアジトからは少し離れていた。

目の前の古びた二階建て家屋がそれ。

窓という窓に真新しい修理跡。

 俺は隣の建物の陰に隠れて様子を窺った。

時刻柄か、場所柄か、どちらかは知らないが、行き交う者が少ない。

お陰で不審がる者もいない。

探知と鑑定を連携させて、じっくり内部を調べた。

一階に五名、二階に六名。

冒険者ではなかった。

スラムの悪党でもなかった。

指名手配もされていない。

全員が関東の武蔵地方の寄親・太田伯爵家に所属していた。

 寄親の伯爵家となると国都に屋敷を構えていた。

どこの区画に屋敷を構えているのか知らないが、

その家臣が複数、スラムに居住していた、有り得ない。

おかしい。

何があった、太田伯爵家。

公的活動は屋敷で行い、こちらでは裏活動の拠点なのか。

それなら理解できる。


 アリスが俺の鼻先を突っつく。

『殴り込んでいい』

『ピー、やるぞ~』

 暇人が二人。

拒否、断固拒否。

『駄目だ』

『つまんない、暴れたい』

『プー、プップー』

『ダンジョンは魔物が召喚し放題なんだろう。

とっととオープンして、そこで暴れたらいいだろう』

 アリスはダンジョンコアの子コアを妖精の里に設置し、

妖精達をダンジョンで鍛えると言っていた。

その設置も終えた。

ダンジョンも妖精用に魔改造した。

だったら、とっととオープンし、自分も一緒に訓練で汗々すれば、

気も紛れるのに。

『オープンしようと思ったんだけどさ~』

『パー、怒られちゃった』

『里の長老かい』

『そう、老害には困っちゃうよ』

『ペー、ペッペー』

 何のかんの言っているけど、長老には頭が上がらないらしい。

可愛いところがあるじゃないか、アリスくん。

どう解決するんだろう。

高みから見物だな。


     ☆

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