プロローグ
時代は安土桃山時代
義賊にして世紀の大泥棒、石川五右衛門の死刑執行間際のことである
豊臣秀吉よって捕えられた五右衛門の罪の判決は
熱湯風呂による焼身死刑
手足を縛られ、大かまどの熱湯に入れられた五右衛門は
燃え盛る炎の上で、沸騰する湯を意にも留めずただ空を見上げていた
真っ赤に染まった体とは裏腹に
顔色一つ変えない五右衛門に向かって死刑執行人であろう役人が叫んだ
「どうだぁーー!!!熱いだろう!? 苦しいだろう!?
何とかいったらどうだ!五右衛門!!」
下を向き、役人と五右衛門の最後を見ようと集まった民衆を
暫らく見回した後
ある悲しげな表情の少年と目が合った
その時、五右衛門は高らかに笑いながら、こう口を開いた
「 はっはっは! 悲しむな おめえら!
俺は盗まれん! 誰からも 何からも!
伝説の盗賊の大道具を7つ盗み出せ!
その時、世界はひっくり返る 」
言い終わったその時、大勢の民衆が役人を押し倒して
五右衛門の救出へと走り出した
「五右衛門さん!!!」
「あいつらをとっ捕まえろ! 抵抗する者は容赦はするな!!」
大騒動となったこの刑場は、多くの武装した役人によって鎮圧された
後に役場より、正式に五右衛門の死亡が発表された
超大義賊の紛失によって多くの民衆の心が打ちひしがれる中
ある小さな盗賊の団員である少年、風間乱馬の心は躍り高ぶっていた