平行宇宙編AMラジオ「Amikana & Mika」:第30回「3+4+5=十二分! 3人のアミカナが集結!」
「皆さんこんばんは! アミカナです」
<ミカです>
「時刻は深夜0時を回りました」
<ここからは、AMラジオ『アミカナ・アンド・ミカ』の時間となります>
「さあ、今日も始まりましたが……ね?」
<うん。今日はねぇ、私、仕切れない自信ある>
「はい。実は、のっけからスペシャルゲストをお迎えしておりまして」
<自己紹介してもらってもいいですか?>
{はい。皆さんこんばんは! アミカナ5です。今日は宜しくお願いします!}
「アミカナ5さんです!」
{ご無沙汰しております、先輩。それから、ミカ様も}
<ミカ様はやめて>
「前回、自分で言ったんじゃん」
<まあ、そうだけど……。で、映画『時間戦士は永遠の夢を見るのか』の公開が近いということで、今日は主演のアミカナ5さんにお越し頂きました!>
{よろしくお願いします!}
「こちらこそ。で……まず、ちょっとえらいことになってるんですが……」
<そうね>
「頭、どうしたの?」
{いや、あの……時間戦士は先輩の物語なのに、私が主役を演じちゃって、凄く申し訳なくて。で、今日はラジオに呼んで頂けるってことだったんで。謝罪の意味を込めて、丸刈りにしてきました。ほんますいません!}
<「ええっ?!」>
<え、ファッションとか、撮影の都合とか、そういうんじゃないの?!>
「ファッションにしては雑だなって思ったけど!」
{はは。自分で刈ったんで}
<え? いいの? これからキャンペーンとかあるんじゃ?>
{大丈夫ですよ。すぐ生えてきますから}
「……や、アンドロイドだから生えてこないよ……」
{え?! まじっすか?!}
「え……こっちがまじっすか、なんですけど……」
{……まあいいや。ウィッグで凌ぎます。とにかく、先輩に謝罪の気持ちを示したくて}
「あー、いや、凄く有難いんだけど、私、ファイブには怒ってないから……」
{いえ! 私の気持ちの問題です!}
「……ああ、そう……ありがとう……」
<ええと、それで、映画の話はまだ一ミリもしてないんですが、ここで曲に参りましょう。紹介をお願いできますか?>
{はい。アミカナ5で『Die fünfte Liebe』}
* * *
<『Die fünfte Liebe』、聞いて頂きました。ということで、引き続き、アミカナ5さんと番組をお送りしていきます>
{よろしくお願いします}
<では、ようやくですが、ネタバレにならない範囲で、今回の映画のあらすじを教えてもらえますか?>
{はい。えー、ある街に、突然、巨大な銀色の球体が現れまして。街中が大騒ぎになる中、冴えない大学生の志音が……}
「待って! 『冴えない』はやめて」
{あ、すんません。えー、悩める大学生の志音は、未来から来たという絶世の美女、アミカナと出会います}
「うん、その形容詞句はいいね!」
{あざっす。で、歴史改変の阻止が目的だというアミカナは、志音に協力を求めるんですが……というお話です}
「これが感動巨編でねぇ。全米も泣いたという……」
<だから泣いてないから! 日本ですら公開まだなのに>
「あ、そっか。アメリカはハッピーエンドじゃないとダメか」
{先輩、ネタバレですよ、それ}
<はい! で! そもそも今回、どういう経緯で映画に? 歌手活動がメインですよね?>
{はい。監督の神の手さんから直接連絡がありまして……}
「私達には何の連絡もなかったけどね」
{それ、ほんますいません! 最初、主役とは思ってなくて。ネタバレになるんで、詳しくは言えないんですが、私じゃないとできないシーンがあるからってことで、えー、一人三役やってます}
<そーなんですよ。凄いよね!>
「凄いと言えば、相手役の志音、これを演じているのが……」
<片仮名シオンなんですよね。彼も一人二役です>
「ビックリよね! ポンコツに志音の役なんか……っていうか、そもそも演技できるんかと思ったけど……」
{いや、めっちゃうまかったですよ!}
<みたいね。話は聞いてます>
「まあ、ギャラが二人分で済むからね。本来五人分必要なところ……」
<ちょっと! 生々しい話しない! で、実は、今回主題歌も担当されるということで>
{はい。そうなんです}
「作詞・作曲もしたの?」
{はい。頑張らせて頂きました}
<ほんと、何でもできちゃうのね。どっかの先輩とは大違い>
「どっかの生みの親もでしょ!」
<では、早速その主題歌を聞いて頂きましょう!>
「無視かよ……」
<曲紹介、お願いできますか?>
{……}
「笑い過ぎ! ほら、お仕事よ!」
{……あ、すんません。アミカナ5で『Zeitkrieger』}
* * *
「『Zeitkrieger』、聞いて頂きました。すっごくいい曲!」
{あざっす!}
「今ちょっと、ミカが入ってしまいまして。泣き止むまで、暫くお待ち下さい」
<……もう大丈夫>
「いや、鼻声過ぎるんですけど」
<すごくよかったから……。でも、私が仕切らないとカオスになるので、頑張ります!>
{先輩は仕切らないんですか?}
「適材適所よ」
<……まるで、自分にも適する場所があるような言い方ね……>
「あれ? 今、出演者見てたら、小川真奈実さん出てる!」
<無視かよ……って……え?! 何の役?>
{技官です}
「え? 技官は男でしょう?」
{何か、監督の希望で……}
<原作改変してるじゃない。神の手、小川さん好きだからね。やりたい放題?>
「小川さん、出演料高いんじゃ……」
<金の話ばっかするな!>
{小川さん、友情出演でしたよ}
「え? そうなんだ」
{お二人に会えなくて、凄く残念そうでした}
「そらそうよね。何で、私の話に私が出てないんだ、って」
{すいません、この頭に免じて!}
「いや、ファイブのせいじゃないから……」
<さて!>
「お?」
<ここで、もう一人、スペシャルゲストをお呼びしております!>
「来ましたね!」
<自己紹介してもらってもいいですか?>
(はい。皆さんこんばんは。亜美カナこと、アミカナ3です)
「アミカナ3さんです!」
<お忙しいところ、わざわざありがとうございます!>
(いえ。今日はアミカナ5さんにお会いできると聞いて、全ての仕事をキャンセルしてきました)
「え?……いいんですか?」
(よくはないと思いますが、私にとっては問題ではありません)
「あー……なるほど……」
<はい! ということで、映画公開を記念して、三人のアミカナに集まって頂きました! 題して、『時間戦士、アミカナ三昧!』>
「凄い! みんな同じ顔! 三面鏡みたい!」
<えー、実は、カナさんはファイブさんが推しとのことですが、直接話されたことはあるんですか?>
(いえ。初めてです。なので、物凄く緊張してます……)
「相変わらず、そんな風には見えませんが……」
<いや、でも、さっきからかなりそわそわされてますよ>
{ありがとうございます! いっつもライブに来て頂いてて。大先輩なのに}
(あ……いえ……。あの、握手してもらってもいいですか?)
{いいですけど。何ならハグしましょうか?}
(え……)
「カナさん、固まってますね」
(そんな……フュンちゃんとハグだなんて……)
<フュンちゃん?>
(ああ、推し仲間の間でのファイブさんの愛称です。ファイブはドイツ語で『フュンフ』なので、それでフュンちゃん……)
「……ああ……そうですか……」
(あの……せっかくなので、キスしてもらってもいいですか?……)
{え?}
<カナさん?>
(すいません、冗談です)
「……相変わらず、冗談に聞こえない……」
(ハグだけお願いします)
{分かりました……}
(……!……)
「えーと、今、カナさんがファイブにハグされておりまして……凄い既視感。これ、執事ごっこと一緒だよね?」
<えー! 一応、ここで初めて聞く方に説明しておきますと……>
「え、今、それ言うの?」
<はい。アミカナ3、アミカナ4、アミカナ5は、私を複製して作られたアンドロイドでして、ニューロン・ネットワークもコピーされているため、コピーされる直前までの記憶を、オリジナルである私ミカと共有しています>
「なので、例えば……初めての彼との初デート、覚えてる?」
{(はい)}
「あれはないと思わなかった?」
{思いました!}
(いくら何でもあれはちょっとね)
「あと、帰り際にさ……」
{あ! 分かる!}
(いや、無理だろって感じでしたね)
<えー、このように、三人だけで……まあ、正確には私も入れた四人で、完全に閉じた会話ができます。ただ……その話はやめよ>
「何で? みんな共感してるよ!」
<いや、何か、悲しい過去を覗かれてるみたいで>
「違う違う! みんなで経験したことでしょう? みんなの過去よ」
<……じゃあ……初体験、覚えてる?>
「え?」
{あ……}
(うん……)
「{(……)}」
「{(……)}」
<……みんなで体験したこと、だとしたら……>
{……まあ……確かに……恥ずかしいかも……}
(……そうはそうなんですけど、ラジオ的にいいんですか、今の?)
<あ!>
「反論に夢中で、ラジオを忘れたな……」
<……>
「えー、ミカの量子頭脳が焼き切れましたので、私の方で仕切りますね。ここで特別企画、『似てる・似てない? 三人のアミカナ』!」
{ドンドン、パフパフ!}
「ファイブ、いいね~」
{あざっす!}
<待って待って! 私が仕切らないと『三人のアミカナ』にならないから>
「いいの? 最悪の初体験に打ちひしがれてたのに……」
<最悪とか言ってねぇし!>
(そうですよね。まあまあよかったですよね?)
「……あ……いや……カナさん?……」
(……ごめんなさい。面白いかと思いまして……)
<第一問っ!>
{ははは!}
<『お風呂に入る時はどこから洗う?』……って、うちのスタッフは馬鹿か?! 何で第一問からこれなの?! もうパス! 第二問っ! 『靴はどっちから履く?』>
「{(右!)}」
<第三問! 『好物は最初に食べる? 最後に食べる?』>
「{(最後!)}」
<第四問! 『夏と冬、好きなのはどっち?』>
「{(夏!)}」
<……ちょっと待ってね。もう一度第一問、『お風呂に入る時はどこから洗う?』>
「{(……左腕……かな?……)}」
<全部一緒じゃん……>
{ですね}
<なんかもっとこう、即答できないような質問ないの? それぞれの人生観が滲むようなヤツ>
「これはどう? 『彼氏の浮気を知ったらどうしますか?』」
{殴り倒します}
(土下座するまで問い詰めます)
「私は……まあ、殴ってから問い詰めるかな? ミカは?」
<……問い詰めてから、殴る……>
(あんまり変わらないですね)
{まあ、いいんじゃないっすか。違わなくても。根っこは一緒なんで}
<……じゃあ、これ! 『もし、自分のボディを一箇所だけ変えられるとしたら、どこを変えたいですか?』>
(ああ、私は顔ですかね。表情豊かになりたい)
「私は……一箇所だけなら、やっぱ泣けるようになりたい、かな?」
{私は頭皮ですかね。髪が生えてきて欲しい}
「気にしてるんじゃん!」
{そりゃそうですよ! 一応、女ですから}
<では! しっかり落ちたところで曲に参りましょう! TIME WARRIORSで『KAISEI』>
* * *
<えー、さて、番組もそろそろおしまいですが、ファイブから告知があるそうで>
{はい。映画『時間戦士は永遠の夢を見るのか』の主題歌、『Zeitkrieger』のCDが11月1日に発売になります。初回限定版として、ジャケットが映画仕様になっておりますので、是非お買い求め下さい}
「あと、映画だよね」
{はい。11月15日より、全国松竹梅系の映画館で公開となります。こちらも是非見に来て下さい}
<カナさんからは何かありますか?>
(はい。今日、キャンセルしてしまったクライアントの皆様、大変申し訳ありませんでした。でも、フュンちゃんと会うことができて、とても楽しかったです)
「……あんまり謝罪になってないような……」
<ということで、今日は、時間戦士繋がりで、アミカナを冠する三人のアンドロイドに集まって頂きましたが……どうでした?>
「三人で会うのは初めてだけど、楽しかった!」
{私も楽しかった! 今度飲みに行きません?}
(私とアミカナ4さんは水しか飲めませんけど、いいですか?)
{いいですよ。その分私が飲みます!}
「ファイブはお酒飲めるの?」
{はい。別に酔いませんけど。量子頭脳の錯覚ですね}
「なら、私達も水で酔うことにする!」
(あの、二次会は二人きりでもいいですか?)
{え?}
(……冗談です……)
<はい! もう締めの時間です。以上! 『AMラジオ>
「アミカナ・アンド」
<ミカ・アンド>
{フュンちゃん・アンド}
(フュンちゃん大好きカナ』でした)
<「{(バイバ~イ!)}」>
<……あー、やっぱり疲れた!……>




