12月第3週 政治・経済ニュースベスト5 【178万円へ引き上げ 給食無償化 教員なり手不足 米台連携 0.75%へ利上げ】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
どうぞご覧ください。
第5位 『給食無償化、1人あたり月5200円で3党合意 国が実質的に全額補助』
12月18日毎日新聞の記事 https://mainichi.jp/articles/20251218/k00/00m/010/096000c より、
『全国の公立小学校で2026年春に開始予定の給食無償化を巡り、自民、日本維新の会、公明の3党は18日、国会内で協議を開き、給食の食材費を支援する制度設計について合意した。保護者の所得にかかわらず1人当たり月5200円を上限に支援する。支援額は国と都道府県が折半するが、自治体の負担分は地方交付税で措置し、実質的に国が負担する。
支援額は、都道府県を通じて給食事業の実施主体である区市町村に配分される。支援額が食材費に足りない自治体もあり、不足分について自治体が保護者に負担を求めるケースもあり得る。このため「無償化」を前面に打ち出したアピールは取りやめ、「抜本的な負担軽減」との呼称を使用する。
給食費の支援額は23年度に文部科学省が実施した実態調査で食材費の全国平均月額だった4700円を基準とし、近年の物価高騰を考慮して500円を上乗せした。今後は食材費を毎年調査し、物価の動向を加味して支援額を設定する。
国は新たな交付金を創設し、児童数に応じて支援額を自治体に補助。アレルギーや不登校などで給食を不要としている児童への対応は自治体に委ねる。
自治体負担分の経費は地方交付税で措置し、不交付団体である東京都を除く道府県分は実質的に全て国費で賄う考え。必要な財源は3000億円規模とみられ、確保策は今後検討する。既存の教育予算には手を付けない。
3党は2月、高校授業料と給食の無償化を大きな柱とする「教育無償化」について合意し、高校については10月に制度を固めた。ただ、給食については自治体の予算編成がヤマ場を迎える12月に入っても制度設計が示されず、自治体から不満の声が上がっていた。
12月に入り、経費の半額を地方に負担させるとの制度設計を全国知事会などに提案。地方交付税で措置する考えも伝えたが、地方側が「唐突だ」などと反発していた。
保護者負担が発生する場合を踏まえて「無償化という呼称は実態に合わない」といった批判も相次ぎ、3党は国が恒久的・安定的な財源を確保することなどについて水面下で説明を重ねた。名称も「負担軽減」を前面に出すことで地方側の了承を取り付けたとした。』
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経済的に厳しい家庭では、給食が「唯一の栄養バランスの取れた食事」になるケースすらもあるようです。
しかし、現状の給食のメニューでは「唐揚げ1個しかない」などといった悲惨なものもあり、現状の規模ではそもそも不十分なのではないでしょうか?
そもそものメニューのバリューを上げた上で無償化することが大事だと思います。金額ベースではなく食事の内容ベースでお金を出して欲しいように思います。食品価格は季節によっても乱高下するために子供が安心して暮らせる社会づくりをまずは給食からするべきであり、それには遠く及ばないのではないかと思えてしまいます。
第4位 『大学の教職課程の必要単位削減へ なり手不足解消、文科省が中間案』
共同通信12月18日の記事 https://news.jp/i/1374203818995466869 より、
『文部科学省が、教員不足の解消に向け、教員免許を取得するために必要な大学の単位数を削減する案をまとめたことが18日、関係者への取材で分かった。削減された分は、学生が身に付けたいと思う専門的な科目に充てる。教員養成系の大学や学部以外でも免許を取得しやすい環境を整備し、多様な専門性を持つ教員の育成を図る。
同日の中教審の作業部会で中間まとめ案として示し、2027年の国会での教育職員免許法改正を目指す。
現行制度では、小中高校の1種免許取得には教科や教職に関する科目として59単位以上が必要。関係者によると、見直し案では、この部分を精選して小学校は35単位、中学校は31単位、高校は29単位に減らす方向で検討している。専門的な科目は別途20単位程度を想定し、共通で学ぶ科目と専門的な科目を合わせても従来より少なくする。
専門的な科目は人工知能(AI)やデータサイエンス、日本語指導など。オンラインを活用した事前事後学習を充実させ、学びの質を保証する。』
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教員の方々の負担は絶大で「人数を増やすために単位数を減らそう」と言う発想のようです。
しかし、そもそも「ブラック労働」であり残業代が出ないことが根本問題です。薄給で「やりがい」だけで仕事をさせられている状況が教員のなり手不足の根本原因だと思います。
また、地方の学校に関しては生徒数に対して教員数が足りない問題もあるのでいっそのこと地方は「オンライン学習校」や「フリースクールの優遇」などを行い校舎そのものに通わせることをやめることで負担を減らすことなどの方策を考えるべきだと思います。
第3位 『台湾に過去最大規模1・7兆円の武器売却、トランプ政権承認…中国反発「独立勢力に誤ったシグナル」』
読売新聞12月19日の記事
https://www.yomiuri.co.jp/world/20251219-GYT1T00164/
より、
『米国のトランプ政権は17日、台湾への武器売却を承認し、議会に通知した。総額約111億ドル(約1兆7000億円)で過去最大規模だ。第2次トランプ政権で台湾への武器売却は、11月に続き2度目となる。
売却されるのは、高機動ロケット砲システム「HIMARS」82基や、ハイマースから発射できる長射程地対地ミサイル「ATACMS」420発、携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」など。
米政府は声明で、「(台湾の)防衛力維持を支援することは、米国の安全保障上の利益に資する」と強調した。台湾総統府の報道官は声明で、「米政府は台湾の防衛ニーズを重視している」と評価した。
中国が軍事力で圧倒的な優位を保つ中、台湾の頼清徳政権は防衛費を大幅に引き上げる方針を示しており、ロシアの侵略を受けるウクライナにならい、小型兵器で対抗する「非対称能力」の強化を目指している。
今回売却が決まった武器は、バイデン政権がウクライナに供与したものと重なる。非対称能力の構築を後押しし、台湾の自衛能力を強化する狙いがあるとみられる。
トランプ政権が今月公表した「国家安全保障戦略」は、日本や台湾などの防衛に決意を示した。トランプ米大統領は、経済面では中国との貿易関係を重視する一方、安全保障面では日本や台湾への軍事的圧力を強める中国をけん制している。
米国の台湾への武器売却について、中国外務省の報道官は19日の記者会見で、米国側に厳正な抗議を行ったと明かし、「台湾海峡の平和と安定を破壊し、『台湾独立』分裂主義勢力や外部に誤ったシグナルを送った」と反発した。』
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トランプ氏が具体的に高市氏の「存立危機事態発言」に対して何か発言はしていないものの、「米台交流推進法案」も含めて連携を強めていると言って良いと思います。
ただ、日本としては取り敢えず耐えるしかない状況であることには変わりなく、「中国のあらゆる挑発を受け流す」ことが大事だと思います。
第2位 『「178万円の103万円の壁をね 178万円取りました!」国民民主党榛葉賀津也幹事長が演説中涙ぐむ 静岡・富士市』
静岡朝日テレビ12月19日の記事 https://look.satv.co.jp/content_news/politics_economic/76203 より、
『178万円への引き上げが政府・与党と国民民主党とで合意された「年収の壁」。昨夜、静岡県内入りした国民民主・榛葉幹事長も成果を強調しました。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長 富士市 18日夜7時頃
「178万円の103万円の壁をね、178万円取りました!やり切りました。今までは年収200万円まで、160万まで行ってね。あと階段のように下がって、たった働く人の5%300万人だったんです。それが満額の178万まで、そしてなんと年収665万円まで全部皆さん税金に返します!」
18日夜、富士市で街頭演説した国民民主党の榛葉幹事長。
演説中に涙ぐむ場面も・・・。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長 富士市 18日夜7時頃
「そして皆さん、今日これ、今月だって両方ガソリン税も103万円の壁も、全部ミッションコンプリート、やり切りました!これはね、政治家がやったんじゃないんだよ。皆さんがやってくれたんです。皆さんが政治を動かして、やってくれたんですよ。(涙ぐむ)久しぶりにね、涙が止まらないね、これ。本当にありがとう(余韻あれば残す)」
この演説の2時間前・・・。
高市総理 18日午後5時頃
「多くの納税者にとって一定の手取り増加を実現することになる」
玉木代表 18日午後5時頃
「178万円の引き上げが実現しました。共に関所を乗り越えることができました。これは高市総理の政治決断にも感謝と経緯を申し上げたい」
減税額は、今年103万円から160万円に引き上げられた分と合算すると…。
年収200万円で2万7000円
年収600万円で5万6000円
年収800万円で3万8000円となります。
財務大臣は通常、減税には後ろ向きですが、19日片山大臣は…。
片山さつき財務大臣
「減税額がこうなっているわけですから、これは一つの大きな変化でありますし、今までずっと普通のやり方でやってきてインパクトがなかったんだったら、そこに踏み込むというのは、私は大変な英断だと思っています。正直、全部を預かる財務大臣としてはきついけれども、政策論者としてはそれは一つの大きな決断だと思っておりますので」
今回の改正の財源はおよそ6500億円、160万円に引き上げた分と合算した減税額はおよそ1兆8500億円となります。
一方、所得制限が付いたことや、減税の対象から住民税の基礎控除が外れたことで、国民民主党が当初主張していた減税規模からは大幅に縮小しました。』
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満額控除を受けられるのが25年の「160万円」が5%しかいなかったのに対して今回の「178万円」は80%と言うのは一定レベルでは評価できます(むしろ年収が665万円以下が8割と言うのは衝撃もありますけども……)。
ただ、これをどうしてついこ間成立した補正予算で反映させないのか? と言いたくなります。
26年度予算であれば26年末にしか反映されません。
そもそも「178万円」と言うのは2024年時点での平均最低時給で算出されたものであり、26年ではさらに上がっていることが予想されているために、2年のブランクが空き、水準に開きが出るでしょう。
また多くの記事では「住民税の壁が上がらなかった」ことについては全く取り上げられていません。
住民税も含め、基礎控除、給与所得控除の合計を一律178万円まで引き上げる案では、その減税規模は年間7~8兆円でした。
しかし今回の措置による追加の減税規模は年間6, 500億円、今年の103万円から160万円までの引き上げによる減税規模は約1.2兆円であることから、合計の減税規模は年間約1兆8,500億円になるために約4分の1ほどと「お買い得」の状態とも受け取れるのです。
「中間層の手取りが増える」ことが強調されていることも多いですが、住民税の壁の引き上げがある場合とない場合で年収500万~600万円の層は年間約10万円も手取りに差が出ることが分かっています。
どうしてこのような中途半端なことになっているのかと言いますと、「地方に配慮」と「住民税非課税世帯」を増やしたくないためだと思われます。
住民税補填については交付金を増やせばいいだけなのでまだハードルは低そうですが、特に「住民税非課税世帯」に給付することが多いために住民税の最低基準を上げることで給付世帯が増えることを避けたいのだと思います。
いちいちセコい話で嫌になりますね……。
このような働き控えは無くならない――無知なゆえに働き控えが無くなったとしても「思ったよりも手取りは増えていない」と絶望することになるでしょう。
このような有様で国民民主党が泣きながら成果を強調されても非常に困ります。ただのイメージ戦略に過ぎないからです。
そして住民税が上がらなかったことはあまり報道されていないのも「闇」としか言いようが無いと思います(大幅に減税額が減ったことを書いているのはこのようなマイナー地方記事ばかり)。
第1位 『日銀、政策金利を0.75%に引き上げ 7会合ぶり利上げ』
毎日新聞12月19日の記事 https://mainichi.jp/articles/20251218/k00/00m/020/046000c より、
『日銀は19日、政策金利を現行の0・5%程度から0・75%程度に引き上げると決めた。利上げは今年1月以来7会合ぶり。トランプ米政権の大規模関税の日本経済への打撃が当初の想定より小さく、企業が来年の春闘で十分な賃上げをすると判断した。円安進行で、物価上昇の加速懸念が高まっていることも判断を後押しした。
18、19日に金融政策決定会合を開いて決めた。19日午後に植田和男総裁が記者会見して、理由などを説明する。
政策金利が0・75%に達するのは、1995年8月(当時は公定歩合)以来で、約30年ぶりの高水準となる。利上げで住宅ローンの変動金利や企業向けローンの金利が上昇する一方、家計や企業の預貯金の利息が増えるメリットもある。
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除して以降、3回の利上げを実施。その後、今年4月にトランプ政権が発動した関税の影響を見極めるため、6会合連続で金利を据え置いた。 日銀は「関税は自動車産業などに悪影響を与えているものの、企業収益への下押し圧力は当初の見通しに比べ限定的」と判断。利上げ決定のカギを握る賃上げについても、全国の支店を通じた聞き取り調査などで「来年の春闘で前年度並みの高水準が維持される」との自信を深めた。
財政拡張と金融緩和を志向する高市早苗政権の発足を機に、外国為替市場で円が売られ、一時1ドル=157円台まで円安が進んだことも影響した。円安進行が輸入物価の上昇を招き、食品価格高騰などのインフレ圧力になるためだ。
高市氏は景気を冷やす可能性がある利上げに慎重と見られていたが、日銀が利上げを見送れば円安が一段と進む恐れがある。日銀は「利上げしてもまだ緩和的な金融環境で、景気の下支えが続く」と説明。インフレは政府が最優先で取り組む課題であり、高市政権も円安食い止め効果がある利上げを容認した。
市場の注目は、今後の日銀の利上げ回数やペースに移る。日銀は景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」は1・0~2・5%の範囲にあるとの推計を公表済み。この中立金利に到達するまで、0・25%刻みの利上げを続ける見通しだ。
植田氏は中立金利について「次回利上げをすることがあれば、考えをもう少しはっきりと明示させていただきたい」と述べている。』
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利上げのたびに毎回同じことを書いているので、本当に恐縮なんですけど、利上げをして下がる物価はディマンドプルインフレだけです。
現状のコストプッシュインフレにはまったく効果は無く、むしろ利上げの分が価格に転嫁されて更なる物価上昇要因になります。だから利上げをしても全く物価が下がらないのです。
11月の「3%物価上昇」も光熱費などの補助が終わったことや、コーヒーやチョコレートは輸入価格、米は価格が上がっていても需要は下がっている(JAの払い下げ額が上がっているから)など需要とは全く関係ない要因が大幅な上昇に繋がっています。
利上げをしても全く価格が下がることと関係は無いという事を国民全体が意識し、利上げに全面反対するべきだと思います。
しかし、「利上げが遅いから物価が上がっている」と言う非常に間違った考えが広がっているのは極めて残念な傾向と言えると思います(これもマスコミのせい)。
更に今回の利上げで、
『70歳以上が年4万1000円の恩恵を受けるなど50歳代以上の世帯にはプラス効果が表れる。一方で30歳代は2万7000円の負担増となり、40歳代以下はマイナス効果となる。』
と言う読売新聞の試算もあるようです。
預金を預けている高齢者層と、借り入れている若者層との間で更なる格差が拡大する政策であり、「所得税の壁だけが上がる」と言う減税を相殺しかねないという事も理解する必要があると言えるでしょう。
また、「利上げをすることで円安是正」ということをおっしゃる方もいますが、円安になった要因は利率差かもしれませんが利上げをしたからと言って円高になるとは限りません(現に0.25%上がっても円安の歯止めにはなっていない)。
「利上げ派」の方々は以上のことを踏まえてもう一度考え直していただきたいと思います。
いかがでしたでしょうか? 世間では「高市政権になって変わった!」みたいな風潮もあるのですが、僕からすると「根本のセコさ」は何も変わっていません。
堂々とした増税が無いだけでインフレに伴う「静かなる自然増税」と言うのが続いているのです。
今後もそのようなことを伝えていければと思います。




