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続・お掃除

「んっ……よいしょっと……」


 バケツで雑巾を濡らして絞ると、エリスさんは躊躇うことなく床に四つん這いになって雑巾がけを始めた。


(やばいやばい……!)


 ――予想した通り、とんでもなく際どい光景が目に飛び込んできた。


 もはや言うまでもないが、エリスさんの下半身は股の前後に一枚ずつ四角い布がぶら下がっているだけの、服と呼べるかすら危ういものだ。


 そして今、エリスさんは床に四つん這いになって床をゴシゴシと拭いている。


「ふぅっ……ふぅっ……んっ……」


 身をかがめていることで、後ろの布の裾が大きく持ち上がり、お尻の下の限界ギリギリのところまであらわになっていた。その布の両サイドからもガッツリと太ももとお尻の側面が露出しており、動くたびに更に布が揺れで危険地帯が今にも見えそうになっている。


(これはまずいって……!)


 せめて下着を穿いてくれていればまだいい。

 穿いていないから困るのだ……。

 僕は反射的に視線を逸らそうとしたが、磁石のように目が勝手にエリスさんの体に引き戻されてしまう。


 エリスさんの足の裏も完全に丸見えだ。床の汚れが付いてうっすらと黒ずみ、ところどころにホコリが貼りついているのも見える。雑巾がけの方向を変えるたびに足の指がくねくねと動くのもまた官能的なものがあった。


「結構頑固な汚れがあるね~」


 僕の視線に気づくことなく、そして自分のあられもない体勢にも何ら構うことなく、エリスさんは足裏を汚しながら僕のために一生懸命雑巾掛けしてくれている。その白くて艶めかしい素肌には、しっとりと汗が滲み始めていた。


(なんなんだこれは……! ただ掃除してもらってるだけなのに……!)


 くねくねと床の上を動くエリスさんの腰、お尻、太もも。そして四つん這いになったことで更に膨らみが強調された胸。それらが全て艶めき、なおさら僕の意識を掴み取る。


「んっ……あっちも汚れてる……」


 額に浮かんだ汗を手の甲で拭い、エリスさんは雑巾をゆすいで絞る。そしてまた四つん這いで別の場所へ移動する。そのたびに揺れるお尻と、持ち上がる腰布。


「ゴシゴシ……っと」


 今度は正座して集中的に床を磨く。むちっと膨らむ太ももと、動作に合わせて揺れ動く大きな胸。正座したことで足の裏も強調され、汗が滴る背筋と相まって更に色っぽい後ろ姿を僕に見せつけてきた。


 これ以上はもう見ていられない――!


「も、もうそれくらいで大丈夫だよ! ありがとうエリスさん!」

 

 実際、部屋の床はすっかり綺麗になっていた。


「え? そう? じゃあ最後に――」


 エリスさんは腰布を正しながら立ち上がり、再度雑巾を絞ると今度はデスクの椅子を持って窓際に向かう。


「窓を拭くから、お兄さんは椅子を持っててくれる?」


「えっ、窓を……!? う、うん。わかった」


 僕はまたもめくるめく絶景の予感に顔を熱くさせながら、慌てて椅子の背もたれのところに駆け寄って両手でしっかりと押さえた。


「よろしくね。じゃあやるよ」


 エリスさんは椅子の上にひょいと軽やかに乗った。目の前で腰布がはためいて僕は咄嗟に死線を下げたが、その先には艶めかしい素足があって結局は瞳を刺激された。


「うーん……けっこう高いなぁ……」


 窓の上の方を見上げながら、エリスさんはつま先立ちになって窓を拭き始めた。つるっとした丸い踵が持ち上がり、再び足の裏が垣間見えた。


 そして――僕の目の前にはエリスさんの太もも、腰、そしてお尻が、彼女の拭き動作に合わせてまるで踊っているかのように揺れている。


(近いっ……!)


 布切れ同然の腰布の揺れ具合によって、エリスさんの白くてぷりっとしたお尻がギリギリのところまで顔を出す。僕の顔の前でそんな光景が巻き起こっているのだから、気が気ではない。


「はぁっ……はぁっ……そこ、っと……」


 エリスさんは真剣な顔つきで腕を伸ばし、頑張って窓を拭いてくれている。なのに僕と来たら――。

 僕は罪悪感に駆られて視線をそらそうとするが、


(だめだ……近すぎて、避けられない……!)


 物理的に無理だった。


 エリスさんのつま先がぐいっと伸びて、腰がさらに反る。その反動で布がぴらっと浮き上がり、まるで布の奥の秘密に手が届きそうな気さえしてくる。汗ばんだすべすべの膝の裏と、柔らかいふくらはぎすらも、僕の理性を残酷なまでに試してくる。


「窓って意外と汚れてるんだね~」


 屈んだり伸びたりしながら、夢中でガラスを拭くエリスさん。息遣いすら色っぽく聞こえる。


(いけない……集中しろ……!)


「んーっ、ここちょっと汚れが……あっ!」


 窓の隅っこを拭き取ろうとエリスさんが片足になったとき、椅子がぐらついた。


「きゃっ……!」


「危ない!」


 エリスさんがバランスを崩し、後ろに倒れかけた。その瞬間、僕は反射的に彼女の体に手を伸ばし、支えるように抱きとめた。


 転倒は阻止した。――が、両手の感触が遅れて伝わってきた。


(や、柔らかい……!)


 咄嗟に伸ばした僕の両手は、エリスさんの腰と、柔らかいお腹を挟むように強く支えていた。


「ううっ……危なかったぁ……! ありがとうお兄さん」


 僕は赤面しつつすぐに手を離す。


「ご、ごめんエリスさん! 僕が椅子をしっかり持ってなくて……!」

「ううん、大丈夫。よし、お掃除終わりっ」


 エリスさんはそう言ってにこっと笑った。無邪気で、優しい笑顔。僕はつい見惚れてしまった。


「でも、この椅子はグラグラしていてだめだね。倉庫に別の椅子がないか探しに行こうよ」


 椅子から降りてエリスさんが提案してくれた。確かにぐらついていて座り心地は悪そうだ。


「倉庫があるんだね。うん、じゃあ行ってみよう」


 答えつつ、汗でエリスさんの体に張り付いた胸布と腰布に僕の意識は引き寄せられっぱなしだった。

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