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「っ、何だこれは!?」

「くっ、動けない!」


地面から生えた泥の手が兵士の両足を掴んでいた。

振りほどこうとするも、さらに泥の手が増えて兵士を抑えこむ。


そこに、


「な、んだ、あれ?」


嵐の中、のろのろと兵士に向かってくる泥の塊の群れ。

人の形をとっているように見える。


「も、モンスターだ!

斬りかかれ!」


兵士達は、泥の塊に斬りかかる。

だが、斬られたところはあっという間に元通り。


「斬撃が効かない!?」

「弓矢もだ!!」

「魔法はどうだ!?」

「炎も風も水も嵐で効果が発揮されない!

泥だぞ?

土属性も意味がない!

何が出来るってんだ!!」


兵士はどうにか対処方法を模索するも、泥の塊は兵士の攻撃などもろともせず、兵士の体を掴み、一つになろうとするかのように体を密着させて泥の体の中に押し込んでいく。


「やめろっ!はなせっ!」

「やめてくれーっ!!」

「誰かっ、手を、かし、て」


泥の体の中に次々と兵士が呑み込まれいく。


「退却!

退却!!

領地に戻れっ!!

岩のモンスターを追え!

泥のモンスターの相手をするな!!」


兵士は泥の手に捕まれないよう気をつけながら、隊列など気にせず我先に逃げていく。


「お、おい!

何が起きてるんだ!!」


「ホセ殿、モンスターです!

お逃げ下さい!」


こんな所で逃げられるかっ!

そう言おうとした時、兵士が泥の塊の中に呑み込まれていく姿を見て、ホセは縮み上がった。


「お、俺を守れっ!

俺は、伯爵家嫡子だぞ!

お前らの命よりもずっと重い!

絶対守れっ!

早く、早く逃げるぞ!!」


ホセは馬車を捨てて馬に跨り、一目散に逃げて行った。


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