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「あ、あなたはっ!!」


ペインは、目を見開き驚いた。


「エマ・ブリンドル公爵令嬢!」


入ってきたのは、エマと獣人、それに見たこともないモンスターのような獣人のような生き物だった。


「もうただのエマよ」


ペインだけではなく、部隊の全員がざわつき、剣に手を掛けた。


「何故、貴方がここに?」


「それはもちろん、この街がわたくしのものになり、今はここで暮らしているからです」


「なんて事だ。

噂は本当だったということか。

王都では、貴方がモンスターを率いて街を侵略した首謀者だというものがあった。

だが、人間がモンスターを率いる力があるなんて聞いたことがない。

だから、嘘だと思っていたが・・・。

悪魔とでも、手を組みましたか?」


「想像にお任せするわ。」


エマは、優雅に美しく笑った。


「本当にこの街は侵略済、ということなのですね?」


「そうよ。

一月もあれば、簡単に侵略できるわ。」


「街に異常がなかったから、気がつかなかった」


「皆様快く、わたくし達を迎え入れて下さったの。

伯爵は、全くこの地に足を運びませんからね。

あまり人望がなかったのでしょう。」


「これから俺達は、どうなる?」


「ふふっ、安心して。 

どうぞ、お帰りになって?

わたくし達は、貴方達が剣を抜かない限り戦う意思はないの。

現状を王都にお伝えして下さいな」


「隊長」


隊員は一人も剣から手を離さず、侵略者を捕まえる、もしくはこの場で切り捨てるという意思を示した。


だが、


「分かりました。

この場は、帰させて頂く。」


ペインは、騎士の礼をし、隊員を連れ帰る決断をした。


屋敷から出た隊員は、

「何故です!?」


「我々の命令は、首謀者の特定だ。

それに見ただろう?

あの生き物を!

勝てるのか定かでない。

あんな生き物、初めてみた。

この情報を何としてでも、持ち帰らなければならない。

下手すれば、この国の危機になるかもしれん!」


ペイン部隊は中心街を出て、伯爵領からも離れようとした。


その時だった。


「ねぇ、強そうな兵士さん達!」


「っ!!?」


自分達の背後に男が立っていた。

気がつかなかった。

自分の背後に人がいることに。

声をかけられるまで気が付かないなんて。


「誰だ、お前は?」


「今から君たちを殺す者さ!」


ニッコリと男が笑ったと思った瞬間、部隊全員の頭が首から離れ、ポトンッと落ちた。


「これから面白くなるんだから、邪魔しちゃダメだよー?

いや、それとも僕が邪魔してるのかな?」


部隊全滅により、王妃に情報が届くことはなかった。


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