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※R15くらいの内容が含まれます。ご注意下さい。



「初めまして、第533号ダンジョンマスターのユウタです」


「第801号ダンジョンマスターのエマと申します。

本日は、お時間を作って頂き感謝いたします」


「そんなに畏まらなくてもいいですよ。

ダンジョンマスターの先輩として、エマさんの相談に乗りたいと思ったから引き受けたんです!

それで、エマさんはいつからダンジョンマスターに?」


「ほんの半年ほど前です。ユウタさんは?」


「俺は、1年ちょっとになるかな。

少しだけ先輩だ。

俺もまだ新人だから分からないことも多いし、クロウさんみたいに凄いダンジョンマスターではないけど、何でも聞いて!」


ワイズに依頼していたダンジョンマスターとの接触の日だ。

お互いダンジョンを離れるわけにもいかないので、モニターごしでの対話となった。

会話だけではユウタは大変フレンドリーな性格で人が良さそうに思えるが、モニター越しの映像は眉を潜めたくなるものだった。


ユウタの周りには多くの女性が侍っていた。

女性達は、服とはいえない秘部を隠す程度の布切れのみを身に着けていた。

ユウタの片手は隣にいる女性の胸を鷲掴みにし、もう片方の手は、別の女性の秘部に埋めていた。

時々女性がビクビクと体を震わせ、さらに卑猥な音までもしている。


エマの隣に控えていたキールは眉を潜め、エマの目を手で覆いたかった。

年頃の娘に見せていい光景ではない。

醜悪そのものだ。

だが、エマは涼しい顔をして、談笑を続けている。

さすがは元貴族と言ったところか。


「では、さっそくお聞きしたいことが。」


「なんだい?」


「人とモンスターを融合したキメラ化のことです。

ユウタさんは、やったことありますか?」


「あるよ」


ユウタは当然のようにあっさりと答えた。


「今、ここにいる彼女達全員キメラ化した子。

気に入った見た目の子に良さそうなモンスターを合わせるんだ。

カスタマイズみたいな感じ?

キメラ化するとダンジョンマスターの言うこと何でも聞くようになるから、便利だよ。

そうだ、この子、元々女騎士だったんだ。

多分貴族とか、偉い子。

俺のダンジョンを攻略しに来てさ、出来るわけないのに。

この通り見た目が良かったから、殺さないように捕まえた。

最初捕まった時「お前の言うことなんて、絶対きかない!」とか「殺せ!」とか、「お前のものになるくらいなら自害する!」とか、めっちゃ活きが良かったんだよ。

それが今ではこう。

『しゃぶれ』」


ユウタは、翼が生えた元女騎士に己の股ぐらを示した。

女性は、ユウタの前にひざまずき、ユウタのモノを取り出すと、下品な音を立てながらしゃぶりついた。

しかし彼女は泣きながら、ユウタを睨めつけていた。


「ね?凄いっしょ!

めっちゃ便利だよ!

これ、本人の意思とか残して、体だけは言う事きかせること、できんの。

こいつは、そうしてる。

ほら、見て!

嫌で泣いてる。

ウケるわー」


ここで初めてエマは、眉を潜め、拳を握った。


「個人の意思を、尊厳を踏み躙って何が楽しいのっ!

こんなの、間違ってるっ!」


「楽しいよ、当たり前じゃん。

世の中、弱肉強食だよ。

弱い奴の意思なんて、尊重されることなんてない。

アンタ、きっと今までずっと強者のポジションにいたんでしょ?

弱い奴の気持ちなんて、本当は分かんないじゃない?

アンタは、知らず知らずのうちに弱者の尊厳を踏みにじってるの!

あんたは、ずっと気が付かずスルーしてたの!

聞いたよ、アンタ街とか集落とか侵略したらしいじゃん。

そこには、アンタに踏みにじられた個人の尊厳があったんじゃないの?

上から目線でモノ言ってるけどさ、アンタは俺と似たもの同士だよ。

あっ・・・そろそろ、イきそう。

ちゃんと全部飲むんだぞっ!

っ、気持ちーっ!!

その顔めっちゃいい!最高!

何度見ても飽きないわー」


エマは、その光景をただ見てた。


確かに自分は、侵略し、人々の大切な日常を壊した。

どんな大義名分があってもそれは、変わらない。


それでも、


「確かに、わたくしは、人々の日常を壊し、尊厳を踏みにじった。

だからこそ、より良い未来を作り上げる責任がある。

人々の暮らしをより良いものにする責任が。

これ以上、彼らから尊厳を奪うことはあってはならない!」


「ハイハイ、綺麗事、乙。

鬱陶しいこと、この上ないね。

アンタがドコの誰だか、よく分かんなかったけどさ。

俺、わかっちゃった。

アレだろ?

ドラゴン・テイル国で流刑になったって言う公爵令嬢だろ。

実はさ、俺アンタの元領地の側にダンジョンあるんだよね。

アンタの領地にモンスター送り込んでたの、俺。


だからさ、俺もアンタと同じようにアンタの元領地までダンジョンエリア拡大しちゃおうかなっ!

アンタ、それされたらどんな顔するんだろ?

それじゃあねっ、バイバ〜イ!」


ブツンッ!


モニターが真っ暗になった。


エマは、顔面蒼白。


「主、大丈夫か?」

「わたくし、なんて事をっ!!」


失言だ。

相手のダンジョンの場所を知らずに、相手を怒らせることを言った。

公爵領のモンスターの発生の原因がダンジョンだったなんてっ!

わたくし、何で気が付かなかったのっ!!


このままでは、公爵領がダンジョンに侵略される。

エマは、自分がやったことのしっぺ返しが今されていると感じた。

罰があたったのだ。

それも最悪な形で。


ペシッ


「っ!?何するのよ、キール」


「ここでただ狼狽えても、何も事はよくならんぞ。」


「っ!!そうよ、ね。

そうよ!

ケンカを売られたのだから、買うわっ!

それは、もう高価買取よっ!!」


「その意気だ、主」


「まずは、お父様に連絡。

そして、わたくしは」


覚悟が決まった。


「この国をわたくしのものにする。

相手がダンジョンの力で攻めるなら、こっちもダンジョンの力で対抗するわ!」


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