表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/49

19


エマは街の住人を集め、自分の民となるか、それとも他の地に移り住むか、問うた。


ほとんどの住人は、残ることを決めた。

それは、そうだ。

ハヤブサの獣人同様に、ここの住人も税が安いからこの街で暮らしている。

この街以外に生きていける場所などない。

それに慣れ親しんだ場所から離れる恐怖もある。

たとえ砂漠から森へと激変してしまったとしても、ここが故郷であることに変わりないのだ。


エマは安全に暮らせることを約束してくれたが、いきなりモンスターと共に街を蹂躙してきた者の言い分なと信用出来ない。


それでも住人達は従わざるを得なかった。

モンスターがあまりにも恐ろしく、頼りになる兵士は眠りこけ、武器はメガネの男が消してしまい、戦う術もない。


住人達は、新たに即位した王を恨んだ。

なぜ、このようなことをする者をこの地に送ったのか。

エマがこの地に来なければ、自分達は今も平穏な日常を送っていたはずなのに。



★☆★☆★☆


恨まれてる王メイソンはというと、メアリーと一緒にセルヴェからこの街について報告を受けていた。


「モンスターが大量発生し、街までなだれ込んだ。

だが、そのモンスターは何者かに操られているかのように統制の取れた動きをしていたらしい。

街は砂漠から森へと急変。

現状は、何者かに集落三つと街一つを落とされたと考えている。

首謀者は分かっていないが・・・まさか、エマ嬢じゃないよな?」


「エマにこんな力ないよ。

だけど、獣人の集落まで行けなかった時の魔法、それはエマのものかも知れない。

少なくとも関わっているとみていいかもね」


「国として対応するのか?」



メアリーは、真っ青になった。


報復だ。


よく小説とかで読んだ「ざまぁ」だ。

自分は、される側になってしまったのだ!


自分は悪くない。

ただ幸せになろうとしただけだ。

安全で幸せな道があると分かっていて、何故他の道を歩もうというのか。

ただ自分は、確実に幸せになれるだろう道を歩んだだけなのに。


どう対応をとるのだろうかと、メイソンの顔を見ると、


笑っていた。


楽しそうに。


「メイソン?」


「ん?あぁ、この件に関しては、伯爵領なのだから、伯爵自ら解決してもらおう」


自分の国の一部が何者かに取られたのに、何故笑っていられるのか?


メアリーは、不気味でならなかった。



○●○●○●


とある電報


“ドラゴン・テイル国の最南端の街が何者かに侵略された。

首謀者は、エマ・ブリンドルと思われる。

首謀者が分かり次第、また連絡する。”


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ