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カタカタカタッ



地震だろうか?


ゲイルは、ベッドに横たえた体に揺れを感じ意識が浮上し始めた。


砂漠の夜は寒い、そして明け方も。

ゲイルは、空気の冷たさを感じ体を縮こませた。

起きる時間まで、まだあるはずだ。

もう一眠り。



ドンドンドンッ!!


ドンドンドンッ!!


家の扉を激しく叩く音が聞こえる。

仕方なく目を開けるとまだ外は暗い。

時計をみれば、日の出まで時間がある。

扉を叩く音は止まらず、仕方なく眠っている体に鞭打って起きたゲイルは、扉を開けた。


「こんな時間に何のようだ!」

「お休み中失礼致します!緊急事態です!!」

「緊急事態?」

「モンスターがっ!見たこともないモンスターが街に向かってきてますっ!」

「は?」


「しかも大量に!」

「モンスターが大量だと?何、馬鹿げたことを。」


街の近くでモンスターなど見たことがない。

それに急にモンスターが大量にやってくるなど馬鹿げた話あるわけない!


「日の出には、この街にモンスターが到着してしまいます!」

「いかがされますか?」

「現在の兵士の数では、あの数のモンスターを退治するのは難しいかと」

「住民の避難だけでも開始しますか?」


兵士も混乱しているのだろう。

口々にゲイルに尋ねる。


「うるさい!まずは、私自ら確認する!」


兵士たちの言葉がいまだに信じられない。


「あちらの高台からご確認ください!」



☆★☆★☆★


「そ、そんなっ、あり得ないっ!?木が歩いている・・・?」


ゲイルは街の外の様子に唖然とした。

街から数キロ離れた場所が森と化していた。


昨日までは、砂漠地帯であったはずの場所に高い木々が茂っている。

昨日兵士に聞いた密林という言葉がぴったりだ。


暗闇でよくは見えないが、前方の木々の葉が右へ左へと、大きくゆらゆら動きながら徐々に近づいてきている。

風で揺れているのではない。

木が歩いているから、葉も動いているのだ。

根っこ部分が足となり、ゆっくりと大きく前進している。

最前線を行く木々の枝は手となり、何かを植えている。

多分苗木だ。

不思議なことに、その苗木は異常な速度で上へ上へと伸びていき、あっという間に立派な大木に。


「ど、どうなっている、んだ・・・?」


兵士が言うようにあれは、モンスターなのだろう。

だが、あんな形のモンスターは知らない。

大型の動物や骸骨、スライム、そういったモンスターは知っている。

だが、あれは木だ。

これは、現実か?



「ご指示を!」


一体何体いるんだ?

暗闇でよく見えない。

一人何体討伐すればいいのか、わからない。


全住民の避難は間に合わない。

隣街に援軍の要請も、もちろん叶わない。

逃げられる者だけ街から逃すか?

こんな暗闇の砂漠地帯に放り出すのか?


戦うしかない。


「ありったけの油と、弓矢を用意しろ。

ここで迎え撃つ。」


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