08
「さて、何をする?」
「ダンジョンエリアの拡大、それに防衛力を上げましょう。」
「先ほど君の指示通り、彼らにエリアの苗木を植え始めてもらった。
10日もあれば、集落全体をダンジョンエリアに変えることができるだろう。」
「ありがとう。
できれば集落の先までエリアを広げたいわね。
集落がダンジョンエリアの端では、彼らも心が休まらないだろうから。」
「了解した。
彼らにもそう伝えておこう。
だが、主。
君の予想だと、税を納めにこないために兵士が集落までやってくるんだろう?
場合によっては、そこで鳥人達が捕まる危険性、兵士と戦う可能性が高い。
本当に戦力として彼らは不要だと考えているのか?
今のダンジョンレベルでは、まだ兵士に対抗するモンスターを期日までに召喚するのは難しいのでは?」
「確かに真っ向勝負をするのならば、彼らの力が必要よ。
でも、わたくしは血を流すようなことはせず、追い払うことを主軸とするダンジョン経営を目指しているの。
当日は、彼らに会うこともできずに兵士達にはお帰り頂くつもりよ」
「何か、策があると?」
「ええ。わたくしの魔法はダンジョンの防衛ととても相性が良いと思うわ。
ダンジョンエリアの拡大が済んだら、すぐに防衛魔法を整える。
どんな機能かは、侵入者が来てからのお楽しみよ!」
△▲△▲△▲
キールは、エマからお使いを頼まれ、一人街まで買い物に来ていた。
頼まれた品は、エマの魔法に必要なものだと聞いたが、
「一体、何に使うんだ?」
魔法に関係しなさそうなものばかり。
キールは、頭を傾げた。
基本的に、獣人は魔法が使えない。
それもあって、人間は獣人を見下すのだろう。
キールももちろん魔法は使えない。
魔法とは、火や水等が急に出てくるものだろう?
頼まれものは、別に魔法道具でもない。
何の変哲もない、魔法がかかったものでもない品だ。
本当に謎だ。
まだエマの魔法を教えてもらっていない。
いや、教えてもらえるわけないか。
自分は、奴隷なのだから。
キールは、エマが元貴族にしては面白い感性を持っていると評価したから従っている。
奴隷の身分だとしても、キールは高いプライドを持っていた。
自分が人間より下だと思ったことはない。
しかしそれでも、長年の奴隷生活から自分は誰かに仕える身分以上の者になれるとは思っていなかった。
「ちゃんと弁えているさ」
首に巻きついている奴隷の証を触った。
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