だっしゅ!
やばい。
今日は高校の入学式。
なのに私は遅刻してしまった。急がなきゃって、そう思って走っている。
入学式が不安と楽しみでいっぱいで、昨日は全然寝付けなくて。
こんなことになるなら、いっそ徹夜しとくんだった。ああ、私のバカ、アホ。
振り返っても仕方ないので、今は急ぐのみ。
ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ。
―――あれ、なんか私のすぐ前にも走ってる人がいる。
前を走る男の子が振り返ってちらり、と私の方を見た。結構イケメンじゃん。
「おーーい!君も遅刻ーー?」私は声をかけた。
「そうだよー。ってことは君もかー!」
男の子が言った。中々差は縮まらない。
なんだか面白くなってきて、二人してわはは、と笑いながらダッシュ、ダッシュ、ダッシュ。
だんだん学校が見えてきたぞ。左腕の腕時計を確認すると、始業には間に合いそうだと分かった。
再び前を向くと、さっきの男の子の姿はない。
学校に着いた。やっぱりいないなあ。
あれ?と思いつつ昇降口で上履きへと履き替える。
先行っちゃったのかな。




