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14 勇者アレックスの異変


-アレックス視点-


 オーガ襲来の少し前に遡る。僕達はいつもみたいにクリステル、エアロ、シューの3人とお楽しみの真っ最中の中だった。クエスト依頼なんてそっちのけでね。そんな中を邪魔するかのように、数人の街の兵隊どもが慌ただしく険しく怯えた表情で走っていくのが見えた。


 「なんか慌ただしいわね。勇者様…」


 「そーんな事より、さっさと続きしようぜ?!」


 「さっきから、下がうずうずです…」


 クリステル達は、僕にすり寄ってくる…。まじで邪魔くさいなぁー。


 「オーガだ!オーガが現れた!!すぐにギルドと派遣されて来ている少年兵に通達!!」

 

 「了解しました!!」


 兵隊の一人がこっちに向かって駆け寄ってくる。いいところなのに、邪魔しゃがってー。空気読めよ。


 「勇者様!!ここに居られましたか!?オーガの大群が街に攻めてきてます!オーガ討伐にどうかご協力御願いします!!」


 はぁ~。めんどくせぇ。僕がオーガを潰してもなんもメリットもない。それならクリステル達を抱いていた方が楽しいしな!


 「…しょうがないなぁ。僕が奴らを葬ってあげるよ!」


 「流石、勇者様~。愛しい方だけあります!この聖女の力もお使いください…」


 「あんなゴミなんて、勇者様にかかればイチコロってね!」


 「わたしの攻撃魔法も忘れないでくださいね?」


 俺達4人と兵隊2人でオーガの進行を食い止めるわけさ。すぐ終わらせてずっぽりタイムといこうじゃないか!!


………。

……。

…。



 しかし、状況が悪かった。状況というより…。何故かいつもの力が出せなかった…。


 「勇者様!?大丈夫ですか!?今すぐ回復します!」


 僕は、右腹をオーガに打ちのめされてしまい大怪我をおってしまった。すぐにクリステルが駆け寄ってきて治癒魔法をかけてくれる。側にいた兵隊達は救援を呼ぶ為に街に戻っていった。

 

 「ありがとう。クリステル!」


 「いえ…。ですが…。 何故かおかしいのです。前までならこれくらいの傷なら一瞬にして治っていたのですが…」


 「まぁ…、細かい事は気にしないでいいよ。」


 うん。こいつは、夜のお供だけじゃなく、こういう場所でも役にたってくれる最高の女だぜ…。だからそんな事はどうでもいい。でもよ!!


 「なんなんだよこれは!!」


 現状からいうと最悪だ。たかがオーガ2体。今までの僕ならこんなやつら瞬殺だった。そう、セイントバーストさえあればどんなやつにも負けなかった。

 

 「どうして…。スキルが使えなくなったんだ…?!」


 少し前までは普通に使えていた。いや、途中で僕の体から何かが抜け落ちるような…。全身から何かが無くなるのを感じていた。


 「勇者様!流石にボク達じゃ無理だから一旦ひこうぜ!!私もなんか不調だ!」


 「勇者様。わたしもいつもより魔法力がでていません!今日は一旦引いた方がいいかと!」


 クソ。。。スキルが使えないんじゃー意味がない。それにこいつらもか!!


 「うん、すまない。一旦撤退しよう!」


 僕はある程度癒えを確認して3人の僕の女に声をかける。オーガは力こそ馬鹿力だけど、走るまでの能力がない。


………。

……。

…。



 帰り道の道中、救援から戻ってきた役にもたたなかった兵隊達が数人の少年兵や兵隊を引き連れて戻ってきた。


 「遅くなりすいません!」


 一人の兵隊が息を切らしながら汗だくになり話かけてくる。僕はイライラしていてそれどころじゃないんだ。


 「街にも数十体のオーガが現れて…」


 「街はどうなった!?」


 「はい! 男の人とラビット族の少女がやっつけてくれました!!」


 僕は何を言っているのか解らず変な声をあげてしまった。


 「はっ?!たった二人で?!」


 「はい!まるで救世主様のようにオーガも瞬殺でした!」


 おいおい。こいつ寝惚けてんのか?この勇者様である僕達でさえ一体のオーガに"少し"苦戦していたんだぞ?それを数十体をただの一般人の二人で瞬殺?!どういうことだよ?!


 「それって誰だよ!?」


 僕は今日の不調でイライラしていた感情が爆発してしまった。なんだよそいつ。人様の活躍の邪魔してるんじゃねぇよ!と思っていると一人の少年兵が、その男の名前を口にした。


 「はい。たしか… ルイスさん という方でした。」


 は!?何言ってるのこいつ!?


 「黒髪の男?!」


 「そうです!遠くからでしか見れませんでしたが…」


 「ぐぎぎぎぎっ…!」


 「勇者様?!ど、どうされましたか!?」


 僕は、最高にイラついた。なんでルイスが!?あの"無能に成り下がった"あのルイスが!?まさか?!そう、考えていると後ろから物音がした。さっき逃げてきたオーガ2体だった。


 「ちょっとどいていろ!!」


 僕は勇者の剣を抜き…。


 「セイントバースト!!!」


 光の閃光を放つ…。光と共に目の前まで来ていたオーガ2体を爆音と共に真っ二つにした…。


 「さっきの不調はなんだったんだ…?」


 「そういえば… 勇者様、私もさきほどの気だるさもなくなりました…。」


 僕だけではなく、他の3人も"通常"に戻ったみたいだ…。それにしても、なんでルイスが…。いや、まさかな…。僕はまだこの時は知らなかった。これからどん底の深い沼にはまって取り返しがつかないことになっていく事を…。

 

また更新できました。不定期なのですいません。

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