ソリスの覚悟
そして、その後。
「イージーになった我はッ、お酒を嗜むのじゃ!! ソリスッ、酒じゃ!! 酒を持ってくるのじゃ!!」
「嘆かわしいですぞッ、メアリー様!!」
「なにがじゃ!?」
「胸に比例してお気持ちまで大きくなられたようでございますね。 その見た目。それで対人、特に殿方相手では easyになられたやもしれませぬが国にとっては ……hard!!」
「うるさいのじゃッ、見た目がよければそれで良いのじゃ!! 世界に存在する国家ッ、その約9割!! それは男が王なのじゃ!! それを踏まえれば国にとってもイージー以外の何物でもないのじゃ!!」
ぼいんっ
胸を揺らし、正論っぽい暴論を叫ぶメアリー。
「この見た目ッ、これさえあれば他国との交渉もサクサクなのじゃ!! 残り1割の国等ッ、捨て置いたとて大した問題にはならぬ!! それにッ、ふん!! お主も我の見た目に赤面しておるではないか!!」
「くっ、そ、それは」
「説得力皆無なのじゃ」
立ち上がり。
メアリーは、クロードの側へと歩み寄る。
そして。
むにっ
クロードの腕。
それを己の胸で挟み--
「それに、ふむ。クロードの力があれば、万事解決なのじゃ。のう、クロード。そうじゃろ?」
色っぽい声を出し、クロードに同意を求めるメアリー。
その光景。
それに、ソリスは決心した。
「クロード様」
「はい」
むにむにっ
メアリーの胸。
それに顔を挟まれつつ、クロードは真顔で返事をする。
「メアリー様の為。わたくしの人生を hardに」
その言葉。
メアリーはそれに、焦る。
「そ、ソリス。余計なことはやめるのじゃ」
メアリー様の為。
その言葉に、メアリーは嫌な予感を覚えてしまう。
「いいんですか?」
「はい。メアリー様の為ならば」
「やッ、やめるのじゃ!! ソリス!!」
「このソリスッ、自らの人生を hardにしてメアリー様を支えますぞ!!」
瞬間。
難易度調整。
対象……ソリス
難易度…… hard
その結果、それは。
「さて、メアリー様。これでわたくしは貴女様に対し冷静に厳しく。ご助言をいたすことができますよ。今まで男として積み上げてきたもの。それを全て捨てて」
男として積み上げてきたものを全て捨てる。
その意味では紛れもなく、 hard。
メアリーとは対照的な見た目。
スレンダーな淑女にその見た目を変えるソリス。
執事服はそのままに。メアリーが太陽ならば自分は月と言わんばかりの女性の姿に、ソリスはなってしまったのであった。




