難易度調整⑥
「のう、クロードよ」
「はい」
「我をべりーベリーいーじーにしてくれぬか?」
「!?」
晩餐の席。
そこでメアリーは、唐突にそんな発言をする。
「国だけベリーいーじーじゃと、我だけが置いてけぼりを食らった気がするのじゃ。なぁ、頼む」
「メアリー様」
「なんじゃ?」
「クロード様の力。それを甘くみてはなりません。人生とは楽もあれば苦しみも--」
「楽だけあればいいのじゃッ、今まで苦しみだけじゃったからな!! これからはベリーべりーいーじーに生きていくのじゃ!!」
優雅にワイングラスを揺らす、メアリー。
その中に入っているのは、勿論ぶとうジュース。
「この通りじゃ、クロード。頼む。我の人生をベリーベリーいーじーに」
「かしこまりました」
「やったのじゃ!!」
「ですがvery very easyは少し心配なので…… easyでいかがでしょうか?」
「それでもいいのじゃ!!」
「はぁ、メアリー様。少しは女王としての品格を」
「王は常に余裕を持ってこそ輝くのじゃ。いーじーになれば我はますます、輝く。その姿を見、臣民もまた我を尊敬するのじゃ」
ぶどうジュースを飲み、したり顔を晒すメアリー。
そのメアリーに、クロードは手のひらをかざす。
そして。
難易度変更
対象……メアリー
hard→ easy
瞬間。
ぼんっ
きゅっ
ぼんっ
そしてスタイルにあわせ、変化するドレス。
「め、メアリー様!?」
「ん? なんじゃ、ソリス」
ナイスバディーになった、メアリー。
それに、ソリスは焦る。
そして、「ご、ご自分の目でご確認を」そう言い、懐から手鏡を出しメアリーへと手渡す。
それを見つめ、しかし、メアリーは喜ぶ。
自分の胸。
それを触り--
「おぉッ、これは!! なるほどッ、この見た目と容貌があればこれから我はイージーというわけじゃな!!」
興奮し、成長した自らの姿にうっとりとするメアリー。
「素晴らしいッ、素晴らしいぞ!! クロードよッ、どうじゃ!? これで我はイージーに生きてゆけるのじゃな?」
「人は見た目で判断するフシがあります。今までのメアリー様の見た目。それでは舐められるばかり。その点、今のその見た目なら……」
メアリーの姿。
それを見つめ、クロードは頷く。
「舐められることはまずありません。それだけで easyです」
「そうかッ、うむ!! イージーなのじゃ!!」
クロードの言葉。
それに瞳を輝かせ、頷くメアリーであった。