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第二のメアリー王国④

メアリーの王命。

それにより混乱する、テント内。


「一人残らず捕えるのじゃッ、この国はこれから先!! このメアリーが治めるのじゃ!!」


そうやって興奮する、メアリー。

しかし、そこに。


「メアリー様、落ち着いてください」


「なんじゃッ、ソリス!! 今ッ、我は怒っておるのじゃ!! キレておるのじゃ!!」


「メアリー様のお気持ち。それは、確かにその通り。しかし一時の感情に流されてはなりません。今、メアリー様が仰っていること。それは侵略者の考え」


「し、侵略者?」


ソリスの言葉。

メアリーはそれにトーンダウンし、少し冷静さを取り戻す。


そして。


「我は侵略するつもりなど。た、ただ。この国の民のことを思って」


「人道支援が名目の軍の進駐。しかし、その兵たちがいきなり権力者たちを捕らえ……その最高指導者であるメアリー様が国を治める。冷静になって、国民の目線で聞いてみればいかがでしょう?」


「こ、怖いのじゃ」


「もしそのような事態。それがメアリー様のお国で他国の手により起こなわれたとすれば」


「震えが止まらぬのじゃ」


冷静さを取り戻す、メアリー。


「とりあえず、今は」


「う、うむ。兵たちよその者たちを解放するのじゃ」


メアリーの命。

それに兵たちは従い、権力者たちを解放していく。

その権力者たちに向け、ソリスは声を響かせる。


「さて、皆様方」


「な、なんでも協力する。いや、させてくれ」


「そ、そうですわ。民の命が優先ですもの」


「こ、国民のあってこその国だ。俺たちが間違えていた」


冷や汗を滲ませ、先ほどまでの態度を改める権力者たち。

それは良くも悪くも兵たちにより一度、その身を抑えられたことによる畏れからくるものだった。


っと、そこに。


「ほッ、報告です!! たった今ッ、沈みゆくダークネス国から全ての国民が救出されたとのこと!! おそらくッ、クロード殿のお力かと思われます!!」


兵の報告。

それが響き、メアリーは顔を紅潮させ声を漏らす。


「く、クロード。すごいのじゃ」


そんなメアリーとは対照的に息を飲む、権力者たち。


「な、何人居たと思っているんだ?」


「我が国の国民の数ッ、それは100万は超えているぞ!?」


「そそそ。それを一瞬で!?」


「それが、我が国の国策士クロード様のお力」


冷静に声を響かせ、クロードを讃えるソリスであった。


〜〜〜


クロードによる難易度調整

対象……ダークネスの無関係な国民の保護

難易度……very very very hard→very very very easy


の効果により、人々は奇跡的に全員無傷だった。


しかしその中にあって。

クロードは未だ満足はしてない。


「安否確認」


呟き--


難易度調整

対象……ダークネス全国民の安否確認

難易度……very hard→very easy


そのおかげでクロードの頭の中には全ての国民の名前が浮かび、安否確認が可能になっていた。


「よしッ、全員無事だ!!」


「クロード殿。全ての少女たちの保護ッ、完了いたしました!!」


「あの牢獄には誰一人として残された者はおりません!!」


響く兵たちの報告。

それにクロードは頷き、地の底へと沈みゆくダークネス王都を見つめる。


そのクロードの背後。

そこにはクロードの難易度調整により無傷で保護された国民たちが不安そうな顔をたたえ、佇んでいた。


「これから先。俺たちはどうなるんだ?」


「家も財産も全て失った」


「どうやって建て直せば」


刹那。


難易度調整

対象……ダークネス国をメアリー王国に変更

難易度……hell→heaven


行使される、力。


それに伴い、先ほどクロードがかけた難易度調整が無効化される。


対象……ダークネスの"国"としての崩壊

難易度……very hard→very very very easy


ダークネス国がメアリー王国になった為、崩壊がなかったことになり、沈みゆく王都は再び元の位置に戻りメアリー王都として復活を遂げたのであった。

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