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第四章 カジノ編①

上の服だけは着替えた。よし、当初の目的であるカジノへとカチコミに行こう!

地球の歩き方の地図で現在地をおさらいしてその地図を頼りにいざ、最寄りのカジノへ!


あれ?地図上では真っ直ぐ歩くだけの筈が、日本にいても近所でさえも恐ろしく方向音痴の私がラスベガスの道をすんなり行けるはずもなかった。

駄目だ、右も左もわからない。

仕方なくホテルのフロントに戻り、フロントマンに地図を広げて見せる。

「ここに行きたい」

不思議とサラリと出てきた簡単な英語が通じてくれて、

ホテルのフロントマンは丁寧に説明してくれた。


ホテル出て左行って真っ直ぐ行くと左側に見えると教えてくれる。

満面の笑みで

「Thank you」

と伝え、ホテルを後にした。

カジノへ一歩足を踏み入れるとそこは別世界だった。

カジノへ足を踏み入れなくても別世界しか広がっていないのに如何とも形容し難い不思議な空間が広がっていた。

まずは様子見でカジノ内をうろちょろ歩き回る。

スロットコーナーだけでも日本で言うところのイオンモールくらいの広さがある気がしていた。

スロットの種類は、20年ほど昔に作られた台のコーナーから、当時の日本の文明を20年くらいすすめたような未来的な物まで揃っていた。

凄いぜ!アメリカ!

その中でも、一番歴史がありそうなボロボロの台に興味を抱き、原始的なスロットで超絶ビビリの私は1ドル賭けをしながら周りの様子を観察していた。

少しずつカジノスロットのからくりみたいなものが分かりはじめてきた頃、空腹に見舞われたので

食事をしに出掛けた。サンドイッチ屋さんを発見し、そこでサンドイッチを注文しようとして物価の違いに驚く。

日本のコンビニで280円くらいで買えそうなサンドイッチが1700円くらいするのだ。

ぐぬぬぬ

背に腹は変えられぬ……

空腹では戦は出来ぬ……

1700円のサンドイッチを完食し、再びカジノを目指す。

本来ならば、ズボンを買いに行きたかったところではあるが、喫煙者にとって食後の一服は欠かせない。ラスベガスの法律により、喫煙出来る場所はカジノしかないのである。

今度は一服をするためだけに3.5メートルくらいあるバカでかいゲームオブスローンというスロット台に座る。

ホテルはスイートルームにしたというのに歯ブラシも歯磨き粉もジャンプーもコンディショナーも何も置いていない部屋を思い出して、

とりあえずそれらと、ズボンを買いに出掛けた。

ラスベガスの物価にしては激安でズボンを買うことが出来て、その場でズボンを履き替えたい旨を店員に伝え、やっとこさゲロまみれのズボンとさよなら出来た。ふぅ、生き返ったぜ!!

 みたびカジノへ出向き、バッファローというスロットの台と戦った。

スロットは上手に出来ていた。ある程度アメリカンドリームを匂わせて駆け引きしてきて、何十ドルも勝たせてくるのだ。その後どんどんお金は吸い込まれていくのだが……

スロットに夢中になっている中、ラスベガス時間で二度目の自分の誕生日を迎えたが、そんなことはもうどーでも良くなっていた。

日付も変わったしそろそろホテルに戻って今日は眠るとするか…

勝負の続きは起きてからにしよう。

カジノからホテルへ向かう道のりは何とも不思議な景色で、色んなお店が揃っていて、このストリートだけで生活出来てしまう位便利な立地だった。

空や川、橋や岩や石そういったものまでも全て人工物で出来ていた。

お店は夜型シフトで、午前10時から午後11時くらいまで営業していた。

ホテルに戻ると、夜景が頭のおかしな世界だった。エッフェル塔やピラミッドやら凱旋門やらのミニチュアな建物が入り乱れて、ギラギラにネオンを燈し、時にはどこからともなく炎が上がる形容し難い景色だったのだ。

頭のおかしなバブリーな夜景を見ながら歯を磨いていたら、デジャヴを感じた。

歯磨き粉の味がサロンパスの味だったのだ………


おい、英語圏、君たちの舌はバカなのか?ミント味は全てサロンパス味にするのか??


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