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第二章 出国

第二章【出国】


年が変わって2017年の1月22日、13:40pm

聖蹟桜ヶ丘発成田空港行きのリムジンバスに乗車していた。まだまだアメリカに行くという実感が湧かない。

バスに2時間程揺られ、成田空港に到着した。羽田空港じゃなくて、成田だぞ!誰かに自慢したい気分にもなったがそれはさて置き、飛行機のチケットを手に手荷物を預ける。いわゆる、チェックインと言うやつだ。

出国審査で、パスポートが破れていた私は、不審がられてかなり時間を喰った。早速トラブル発生…まだ出国すら出来てないのに先が思いやられた。


落ち込む暇もなくお土産買っていってね!と言わんばかりに立ち並ぶ免税店に目を奪われ、免税店のタバコの安さに驚き、2カートンタバコを購入して

空港の椅子に腰をかけ、昨日買ったばかりの地球の歩き方ラスベガスを黙読していた。時を早送りして、19:00発エア・カナダ バンクーバー行きの飛行機に乗り込んだ。


さようなら日本!

なんてちょっと格好付けたことを心から想った。

しかし、不思議なことに、30分で飛行機に飽きた。隣の席が空いていたなら足を伸ばしたりリラックスも出来ただろうのに、隣には長い髪、天然金髪のアメリカ人らしき男性が座っていた。あまりにも暇だったので右隣のアメリカ人らしき男性を勝手に「ケヴィン」と名付け、ケヴィンの行動をちらちら伺ったりして暇を持て余していた。

20:00頃、機内食第一弾が運ばれてきた。

「qwertyuiopqwertyuiop Beef or Chiken?」

早速ぶつかる言葉の壁。ビーフ オア チキン しか聞き取れなかったが、機内食だということだけは分かったので、ドヤ顔で

「ビーフ」

と答えて機内食を無事確保した。その後、お水だのオレンジジュース等を頼み、トイレに行ってる最中に気が付いてしまった。この飛行機はどうやらドリンク飲み放題だ!ということに。

それからは遠慮なしに飛行機内をドリンクバーにして過ごしていたのだけれど、後々気が付いたのだが、そんな恥ずかしいことをしてるのは私だけだった。


22:00〜23:00飛行機内消灯

もちろん眠れる訳がない。暇だ………暇過ぎるので前方座席についているタッチパネルをいじくり倒すのだが、それにもすぐ飽きた。

仕方がないのでタッチパネルでオセロをする。3分の2位の確率でしか勝てない。エア・カナダなかなかに手強い…

オセロに燃えて、ちょうど負けたところでふと腕時計を見ると深夜0時をさしていた。

飛行機内でオセロに負けながら静かに自分の誕生日を迎えた。隣を見るとケヴィンは爆睡していた。

ハッピーバースデー 自分!

真っ暗なみんなが寝静まった飛行機の中で誰からも祝われる事なく自分一人だけの誕生日を迎えた。


日付も変わったことだし、CAキャビンアテンダントの元へと出向き、機内イヤホンを借りた。よし、もう無敵!タッチパネルの映画がこれで見放題!


sing streetという映画を選択


しかーし、字幕の選択肢が英語かフランス語の二択なのである…

仕方がないのでここは業にしたがい英語で鑑賞

あれ?映画始まってもストーリーが単語、単語でしか聞き取れないよ??

少年が何かアコギ弾いて歌ってるよ?

映画の途中で、午前2時前に飛行機の窓の外の空が明るくなってきた。どうせ見ても映画の内容なんて分からないので、朝日が昇ろうとする空を眺めたり映画を見たりしていた。

ぬおおお………こし………腰が痛い……


人間とは実に身勝手な生き物である。空にいたら空にいたで陸地が恋しくなる


3:11 機内で出る水の質が日本の軟水とは違い、硬水で美味しいけれど喉が潤わないなとか考え、時差でもはや時間が分からなくなってきた頃に2度目の機内食がきた。

内容はお粥とパン

何で炭水化物に炭水化物合わせるねん!と心の中でツッコミ入れたりそうこうしているうちに着陸が近くなり、機内シートベルト着用サインとアナウンスが流れ始めた。

窓にはカナダの美しいまるでパソコンの壁紙のような風景が………………あれ……………まずい


強烈に吐き気がする…………


今シートベルト着用しなきゃならない時間帯だからトイレにも行けないんだよおおおお


我慢が限界を達し、吐く用の袋に思いっきり嘔吐してしまった。

私のゲロは見事に袋から溢れて、替えのズボンなんて持ってきてない一着しかないズボンをゲロまみれにしてしまった。

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