第一章 出国の決意
第一章【出国の決意】
2016年12月25日、クリスマスの日、突然私はこの先の人生を生きるか死ぬか大きな賭けをしてみたいと思った。一生遊んで食べていけるだけのお金を一瞬で稼ぐか、はたまた一文なしになって命を断つか・・・
そのためには日本の宝くじなんていうチンケな額を当ててもどうしようもない。ならば、アメリカへ行こう。そうだ!過去に何かの文献で読んだ。ラスベガスで一晩で46億円手にした人の話を。ラスベガスへ行って大富豪になって帰国するか帰国せずして死ぬか・・・
思い立ったら何事も即座に行動してしまう私は、そんなことを考えながら、ショッピングモール内の旅行代理店HISに足を運んだ。もちろん日本という小さな島国で産まれ、育ち、一度も日本から出たことのない私のおそらくあれは、はじめての反抗期か厨二病か何かだったのかもしれない。まだまだ未熟でネットで何もかも予約出来るなんてそんなことすら知りもせず、旅行代理店の窓口でラスベガス行きの航空券と、謎にヒルトンホテルエラーラのスイートルームの連泊の申し込みをした。
航空券だけで8万円だった。宿代金はべらぼうに高かったが、今となっては幾らだったか思い出せずにいる。
航空券を買った・・・買ってしまった・・・もう旅立つしかない!と腹を括っていた矢先、HISの窓口の人に、
「バンクーバー経由で行くのでカナダビザETAと、アメリカ観光ビザESTAをすぐに申請してくださいね!」
と言われ、我に返った。なんじゃそりゃー!パスポートだけじゃ旅立てないの!?
家に帰るとパソコンを開き、即座に各々の国のビザを申請しようとする・・・が、全て表記が英語なのである。まずい・・・ほとんど理解出来ない。
グーグル翻訳とにらめっこしながらまずはカナダビザから申請をする。
えーーっと、性別は男、女、Other
え、待って……Otherって何!?
旅立つ前から色んなカルチャーショックを受けた。
なんやかんやでその日のうちにカナダビザとアメリカ観光ビザを取得出来て、喜んでいた。
ささやかな自分への初めてのクリスマスプレゼントだった。
メリークリスマス自分!
3時間くらいかけて英文とにらめっこしていた私は、慣れない事をした為、疲れが一気にどっと来て
そのままベッドで朝まで眠ってしまった。
翌日、そうだ!アメリカって多分広いから運転免許証必要だ!と思い立ち、東京都府中市の運転免許センターで国際運転免許証をゲットしたのだった。




