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おふくろの味

作者: 蓮薔薇 揺麗

上手に再現できない


わざわざ同じ鍋まで取り寄せて


コンロも全く同じ型番を用意した


具材の切り方からグラムまで同値


隠し味までま聞いたのに


あの味はどうしても作れない


母だって常に同じものは作れないはずで


日々微妙に違う味わいだったはずなのに


そのいずれにも一致せず


私の味にしかならない



それとも、忘れたのかもしれない


おふくろの味は今や何年も知らない


おふくろの味という幻想を作るには


十分すぎるほどの時間がある


何年食べようと何年も空けば忘れそうだ


再現できる日は来るのか

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