表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

さずけられる夢

夢を見ました…



おかしな夢。


町内会に不審な動きがあるということで、私と母は、近所の家で話し合いをしていました。

鉄砲などの武器を一ヶ所に集めたいらしく、男連中がこそこそと、誰の家にどれだけあるか、などの情報を調べてまわっていたのですが、聞いていなかったカミさん達が、こぞって反発したのです。


そんな新たな施設は町内に要らない、という意見の一致を確認し、母は帰宅。私は、その家の嫁さんともう少しおしゃべりをするべく、茶菓子の残っている2階へ戻りました。北と西側に大きな窓のある部屋で、パリポリと菓子を食べながら、他愛ない話をしていましたが、しばらくして子供の世話をするからと、嫁さんが席を外しました。


部屋に残った私は、見るともなく窓の外を見ていました。近くに高い建物は少なく、家々の屋根と広い空が見えます。


と、視界を黒いものがよぎりました。


驚いて見直すと、大きな窓を塞ぐように、黒々とした球形に触手を生やした不吉な物体が浮かんでいます。

中央にある大きな眼がこちらを見ていますが、どんな感情を抱いているのかは、伺い知ることはできません。


これは、あれです。

先程まで話していた、伝説のベアリオンです。


私はあわてて階下にいる嫁さんを呼びました。もちろん声は出さず、身振り手振りだけです。

訝しげに階段を上がってきた嫁さんは、窓の外を見るや硬直。その時、脳に直接声が響き、ベアリオンとのコンタクトが第2フェーズに入ったことが分かりました。



汝ら、望みありしや?



問いかけられて、考えます。

そうぞうのちからが欲しい。

創造ではなく、想像。

クリエーションではなく、イマジネーション。


だって、迂闊にクリエーションの能力なんて貰って、考えた事がポコポコ実在化したら、大変じゃないですか! ロクでもない考えが次から次へと実在化して、その後始末に追われるのも嫌ですが、ロクでもない考えを他人に知られる事自体が嫌!


その点イマジネーションなら、自分だけで楽しめる上に、よりリアルな妄想が出来れば儲けもの。人生が、楽しくなるというものです。


想像! 想像! と脳内で連呼していると、隣にいた嫁さんも、何やら願っているようです。


黒い球の真ん中、やはり黒の異様な装飾に彩られ、まばらな触手がざわめく中にある大きな眼が、了承の意を伝えてきました。


おおお、などと感激していると、早速使ってみるようにとのお達しです。

しかし、とここでも私は思いました。妄想の実現や妄想の投影といった、付加能力が与えられたかもしれない。ここはひとつ、ベアリオンの4コマ漫画でも想像すれば、ヘタを打ったとて本人(本妖?)にもダメージが返るだろう。


というわけで、ベアリオン4コマをねちねち妄想してみたのですが、肝心のベアリオンが黒ではなくグレーになり、さほど細部まで再現出来ないのです。何度やっても上手くいかず、訝しく思い顔を上げると、そこにはーーー


先程までいた黒い球形のベアリオンとは似ても似つかない、いや大きさも同じで球形ですが、見開かれていた眼は、ゼリービーンズのような形に歪められて、ニヤニヤ笑いを浮かべており、全身は嘘を体現したような嫌らしい赤色で、



ハーハハハーダーマサーレターーー



などと、身を震わせて触手を揺らし、笑っているのです。


これはベアリオンではなく、力なき近親種。

与えることも出来ないが、奪うことも出来ない。


あー、そーいえば子供大丈夫だったのー? などと、隣でガックリきている嫁さんに訊くと、素早く立ち直った彼女は、大丈夫大丈夫などと答え、二人階下に降りました。後ろで赤い物体がブルブル震えているようですが、もうどうでもいいです。


降りる時、茶菓子の袋を持ってきてしまった事に気づき、あわてて嫁さんに渡したところで、目が覚めました。



色んなモノが空に浮かんでいる夢は時々見るのですが、今回のベアリオン様は初めてでしたね。

てか、まんまバックベ●ードやん。なんか装飾はあったけど…。そんなもんが窓に張りつくように浮いてたら、もっと吃驚しろ、自分!


実は、現実で電話が鳴ったせいで、目が覚めてしまったのですが、もう少し夢の中にいたら偽ベアリオンの逆襲があったのかしらと思うと、残念な気も。そして、町内会の男連中がやろうとしていた武器集めは何だったのか(笑)


謎は深まるばかりでございますーーー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ