トイレを探す夢
夢を見ました…
トイレを探してる夢…。
場所はホテルの一室で。
敵を避けて集まっていたんだけど、どうにもならなくなって、一緒に身を寄せていた少女とともに、探しに出ました。
最初はホテルの部屋にあるかなと思って、出入り口のそばにある細いドアを開けたのだけれど、それは冷蔵庫のドアだったので、危ないかなあと懸念しつつも、廊下に出たのです。
行けども行けども、廊下にトイレらしい扉はありませんでした。
私たちはエレベーターに乗って下の階に行きました。
赤い絨毯の廊下を行くと、ホテルに入っている料理店がありました。
料理屋があるならトイレもあるだろうと暖簾をくぐると、粋な板前さんが忙しく立ち働いている活気ある店で、見たこともない料理が並べられています。私たちが入ってきた入り口とは反対側に、すりガラスのはまった格子戸があり、どうもそちらが外に続く正式な玄関であるらしく、時折客が入って来るのです。
親し気に声をかけた客は、大将に何かを手渡していることがあります。
そう、この店は、客が持ち込む食材を料理して食べさせる店で、渡している食材はどうも地球産のものではないようなのです。
客自体も、ありふれた外見をしていますが、地球の出身ではないらしく、ここは故郷の食べ物を手に入れた宇宙人たちが、懐かしい料理を口にすべく足を運ぶ、そんな店らしいのです。
さて、そんなことより自分の尿意です。
一緒に来た少女は、店の中央にある通路へ消えました。
私もまた、それがトイレへのルートであると思い、通路の突き当たりにある扉を開けました。
そこは、両側にたくさんのドアが並び、中央には料理をのせたテーブルが並んでいる奇妙な部屋でした。
テーブルには何人もの客がついていて、料理を突つきながら談笑していました。少女の姿は見当たりませんでしたが、私は、ついにトイレに辿りついたと確信し、並んでいるドアのひとつに手をかけました。
思ったとおり小部屋状に仕切られた空間がありました。
狭さといい備品といい、トイレ以外の何ものでもありえないのですが、ただひとつ、足を置く場所が二組据え付けられ、それらは並べてあって、しかも斜めになっていました。しかしまあ、一組だけ使えば済むことかなと考え、便器とおぼしき穴を跨いで足場に両足をおいた、その途端。
足場はブルブルと振動しだし、立っていられないくらいになったのです。
しかも下から霧状に水が吹き上がり、脚全部を濡らします。とてもトイレをするどころではありません。
ほうほうの体で退散し、混乱した頭で出した結論は、これは宇宙人向けのトイレだろうということです。
考えてみれば、当たり前なのです。
ここは宇宙人のための料亭のトイレなのですから。
隣のドアは、ナメクジ型宇宙人のためのトイレでした。
どんどんドアを開けていっても、まともなトイレはありませんでした。
そこで意を決して、中央のテーブルで食事をしているおばさんに、地球人用のトイレはどこかを尋ねました。
ところがおばさんは、食事と排泄の関係についてとうとうとまくしたてるだけで、一向に地球人用のトイレの場所を教えてくれません。とうとう私は、おばさんを指差して言いました。
「あなたは、食事をとってもすべて吸収して、排泄が出来ないタイプの宇宙人なんですね。」
おばさんは喋るのを止めました。
「そして、トイレに行ける者がとても羨ましいのですね。だから、」
おばさんは凄い顔でこちらを見ています。
「ここでゴハンを食べているのですね!自分向けのトイレを探している者を邪魔しているのですね!だから地球人用のトイレの場所を教えないのですね!!」
途端に頭に衝撃が走って--------
気がつくと、フトンに入りたいと意思表示をする猫に、頭をはたかれていました。
猫をほかしてトイレに走ったのは、言うまでもありません。
…洩らしたら困りますから。
夢の中でも定番中の定番。
とりわけ印象的だったのが、この夢でした。
それにしても、自分にツッコミたいのは、
なんでこう、筒井康隆風味で締めるよーなSFもどきじゃなくて、
こー、もーちょっとフツーのトイレ探しの夢にしてくれんかな…
あああああ、すんんんごく疲れた。