始まりを告げた別れの中.Ⅰ
投稿初心者です。
執筆も初心者です。
表現が伝わりづらい箇所もあると思われます。
ご了承下さい。
何故、父さんの腹から血が流れているのか、苦しんで血反吐を出しているのか、横になっていて今にも死にそうなのか分からなかった。
中心街へと続く長い道。中央分離帯と、両脇には木が林立する道路の途中、僕の父さんは倒れていた。父さんの周囲にはたくさんの黒っぽい赤色の血が散らばり、近くには何故か分からないが馬も血を出して倒れていた。
冒険に出てみたかったと言えば、そうなのかもしれない。自分を試したかったと言えば、そうなのかもしれない。はっきりとは分からないが、一人でやってみたかったのは確かだ。
高校生にもなると、金額などからも見て取れるように、大人と見做されるようになる。少し前までは成人から大人だと思っていたが、江戸時代まで遡れば、当時は十五歳で大人となるのだから、親に頼って何かをするなんてことから段々と離れていかなければならないと思った故の行動だった。
今日、両親は別々だが外出する。だから僕も、そのときに一人で外出をしようと思った。いつもより遠い場所へと一人で行ってみたかった。
「本当に大丈夫? 用事が済んだらそこに送ってってもいいんだよ?」
家の小さな倉庫から折りたたみ式自転車を取り出す僕に、母はそう言ってくれたが、
「一人で行ってみたいから大丈夫だよ。」
と、返した。
「そう、ならいいけど……何だかあんたのことだから嫌な予感がするわね。遅くなるときは連絡頂戴ね。」
母は笑いながら言って、車に乗り、エンジンを掛ける。
「じゃあ、くれぐれも事故のないようにね。」
僕の方を見て窓越しに手を振る。僕も振り返す。車は大きな音を立ててその場を去った。エンジンだけ良いものに変えたせいでエンジン音が普通の車よりもやたらと大きい。車もそろそろ変え時らしいが、以前その話をした時に、
『親孝行、してくれてもいいのよ?』
と、言われたので、車が買えるほどのお金はないということだろう。
見送った後に、僕は自転車に乗り、左右の安全を確認し、ゆっくりと漕ぎ出した。
数秒後、後輪がパンクしていることに気がついた。
動作確認を定期的にすればよかったなんて後悔しても、母はもう出発したし、目的地までは徒歩で行けるような距離でもなく、家の鍵も持っていない。もう、行くしかない。
後輪がガタガタしている。段差の衝撃がよく体に伝わる。数分漕いだだけで疲れてきた。田舎の道は段差が多くて辛いと思ったのは生まれて初めてだ。今まで楽しかった段差を辛く感じる日が来るのがこんなにも早いとは思わなかった。
母の言っていた、嫌な予感というものが当たるかもしれない。そんな恐怖があった。
最後までご覧頂きありがとうございました。
投稿頻度をなるべく早められるよう、
頑張ります。